緊迫したウクライナ状況:情勢の「簡易メタ分析」

2022-01-22 投稿

時事

ウクライナ情勢について考える。


真に受けずに疑って読んでくれ。



唐突だが、ウクライナ情勢が緊迫している(らしい)。緊張状態はしばらく前からであり、ニュースとしてはそう唐突でもない。表面だけでいうと、ロシア軍が国境付近に展開集結、圧力を掛け、米国をはじめとする西側がこれを外交牽制しているといったところか。

投資家としてもこれを時機として、ウクライナと今回の情勢を深く知っておくのも良いだろうということで、ネット検索を使って情報のメタ分析を試みる。

基本情報

ウィキペディアによる概要としては、国土は日本の2倍弱、東がロシア、南が黒海、北がベラルーシ、西はポーランド、ルーマニア等の旧ソ連衛星国。人口4300万人、1人あたりGDPは約4300㌦。

歴史の概要

ウィキペディアの「宇露関係」項目内容を、非常に複雑で分かりづらいが、無理やりまとめると:

  1. ロシア革命までは周囲のポーランドやリトアニアを巻き込んで、長年、宗教や民族対立由来の、地域間の騒乱を繰り返す
  2. 革命で赤軍に敗れてソ連に取り込まれ、その間工業化と農業化が進み、また領土の変更があった
  3. ソ連崩壊、独立後は西側とロシアの間にたって地政学的に混乱が続いている

という感じだ。

いくつかの解説記事のメタ分析

ネット検索で、以下のようなキーワードを使って、いくつか解説記事を読んだ。
  • 今さら聞けない ウクライナ
  • マスコミが報じない ウクライナ
  • ウクライナ専門家
これらから、共通している要素を集約して分析する。

NATO


まず、必ず出てくるのが、「NATO」という単語だ。「NATOの境界線」とか「緩衝国家」等と書かれている。

背景としては、ロシアとしてはNATO加盟国が自分たちに近いところで増えるのは安全保障上問題になると考え、旧ソ連地域や旧ソ連衛星国はロシアの脅威と考えて(NATO加盟を考えて)いる。

実際、バルト3国、ポーランド、スロバキア、ルーマニア、ハンガリーが既に加盟している。これでウクライナまで加盟となると、緩衝地帯が無くなって直接国境が対立の前線になるので、ロシアとしてはそれを何とか阻止すべく色々やっている。まぁこれはわかりやすい。

ルガンスク、ドネツク


これもかならず書いてある。「親ロシア勢力が実効支配する、ルガンスク州とドネスク州」「ロシア系が多いルガンスク、ドネスク」という文脈で書かれている。

要は、ロシアとしてはこの地域で変な事(例えばロシア系住民の弾圧)は許さない。ウクライナとしても自国領土であり勝手な独立など認めない。つまりウクライナ内でまた境界線があるわけだ。

その他のキーワード


ウクライナ革命:これも上2つに準じて言及されている。2014年にロシア寄りの方針を示した大統領に反対するデモにより大統領が失脚。つまりウクライナ人民は上記2州以外は大勢としてEUとの緊密な関係を指示しているという文脈で使用される。

クリミア(併合):クリミア半島は現在ロシアに実効支配されている。上記革命に反応したロシアとクリミアの親ロシア勢力による行動が、ルガンスク、ドネツクにも当てはまるという文脈で使用される。


肝心の「侵攻の有無」



全ての記事が明示していないが、侵攻が起きそうだと書いている物は無かった。可能性に触れている記事では、「ウクライナのNATO加盟」「上記2州への何らかの実力行使」がなければ、経済制裁もあり、にらみ合いが続くだけで収まるだろうとしている。

個人的な感想

各分析記事はそれなりの専門家が書いているが、その他大勢が情勢について書いており、全部読みきれない。背後関係は総じて同じことが書いてあり、それらの最大公約数(「NATO緩衝地帯」と「東部親ロシア2州」の文脈)が短めの記事になっている。実際どうなるかわからないが、クリミアでは実際併合まで行ったし、米国の大統領の態度が弱い印象もあり、何が起きても驚かない。どうだろうか。

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