
何の専門家でも無い、一凡人 求職中の素人視点なので疑って読んでくれ。
唐突だが、世界の株式長者、大企業の創業者、大富豪達等が、所有株などを大量に売却したという報道がよくある。
論調としては、まず売却金額の大きさを行間で非難、なぜ売るのかを思い込みで推測、そのお金をどう使うのかの邪推する。大体そんな記事だ。まぁもちろんもっと建設的に売却を分析する記事もあるだろうが、総じてあまり読む価値はないと思う。
しかし、俺はそんなニュースを不覚にも?見聞きしてしまう度に、こう思ってしまうのだ。
「株式の流動性とは、なんと素晴らしいのか」
と。
株式以外の資産で、これだけの頻度で、兆単位でも、その金額をいとも簡単に、しかもほぼ瞬時に、吸収できる市場は無いだろう。あるとすれば一番直接的な「現金」だが、そんな規模の「現金」を持っている資産家はほとんどいない。
例えば、「慈悲深い不動産王」が数兆円分の家や土地を慈善団体に寄付すると言っても、手間がかかり過ぎる。そもそも一気にそのような不動産が市場に出てきても、規模が大きすぎると需要が無くてとても消化できず、出来るとしても長い時間がかかる。もしかしたら買い手が永遠に出て来ない可能性だってある。
優良不動産とは違うが、実際日本では「資産が塩漬け」になってしまい、買い手がいないので売るに売れず、管理費用が嵩んでゆくような不動産を所有している人が沢山いると聞く。所在する自治体に寄付すれば良い、と考える人も居るだろうが、実際は自治体は使える不動産でなければ、受け取ってくれない。
つまり、需要がなくて寄付できないのだ。当然買う需要もない。つまりこのような不動産には、そもそも流動性がないのだ。管理費は我慢して払いながら(あるいは踏み倒して)棄て置くか、誰かに半ば騙すようにして売るか、何か外部要因で需要が出てくるのを待つのか、何れにしても取れる手段は少ない。流動性が無い、あるいは少ない資産というのは、関わるべきでは無い。
話が逸れるし、暗い話になってしまうが、日本はこれから、そのような不良不動産資産が増えていく、とよく報じられる。以前投稿したが今滞在している、この辺りの不動産でも誰も住んでいない家屋が多く、それからしばらく経ち廃屋と化している物件も非常に多い。相続人が居たとしても、いつまで管理(家事や崩壊の防止とか、庭の植物の処理とか)するのか、今後は前述のような事情で相続を放棄する人も多くなるのではないか。そうすると廃屋がまた一層増加して、今は居住人がいる物件でも相続を忌避されやすくなって、また誰の所有でもない廃屋が増加して、悪循環が加速する。どうしたらいいのかわからないが、遅かれ早かれ深刻な問題になるだろう。都心部に住民が集中するのはこういう理由もある。都心に近ければ、まだ相続人も管理しても良いという気にもなるからだ。
話を戻して、金や美術品でも、仮に買い手が見つかったとしても、せいぜい数百億円とかだ。もちろん寄付は金額に関係なくとても尊いし、数百億円でもものすごい寄附金額だが、「著名株式大富豪」達の「株式による」寄付行動はケタ違いで、それを支えるのは、株式市場、一般の投資家だ。もちろん不動産と同様に銘柄によるが、基本的には上場しているような会社の株では、堅実な需要があるからだ。寄付される側も、株式市場の素晴らしさを、言わないけど、実感しているのではないだろうか。
もちろん、この流動性が、大規模でスムーズな寄付のみならず、ありとあらゆる経済活動を支えている。株がもし自由に売買できなくなったら、世界の金の動きが止まり、想像を絶する悲惨な状況になる。どうだろうか。
全て、個人の意見だから、自分でもよく考えてくれ。
投資は自己責任。言動は自分の思考で。ではまた