アタマの柔らかさについて考える。
何の専門家でも無い、一凡人 求職中の素人視点なので、真に受けずに疑って読んでくれ。
唐突だが、思考の柔軟性は大切だ。
ある対称的な2人を考えてみよう。
片方はそれなりに広く知識を持っていて、それなりに経験もあるので、それに基づいて行動するA。もう片方は細かい知識に疎いが、感覚重視で色々な事を抵抗なく受け入れるB。左脳支配のAと右脳をよく働かせるのBとも言えるかもしれない。同じ人間でも年齢でも傾向がA→Bと変化する。
程度の差はあるが、こんな友達同士とか、兄弟とか、夫婦とか、上司部下とか、経営パートナーとか、結構いるのではないだろうか。典型的?な2人組のパターンの1つかもしれない。カップルなどを含め、2人組というのは無意識のうちに自分に似た人間を避け、タイプの違う人同士を選びやすいから、対抗形?になるものだ。小説でも、このような二人組はよく採用される。意見が異なりやすいため、会話になりやすいからだ。
そして俺の見る限り、次々と出てくる大衆向けIT機器とか、最新の多少わかりにくいが使いこなせれば便利的なモノは、Aの方が忌避して取り残され易く、Bは感覚で案外使いこなして、何とかついていくのだ。だからAは常識や今までの体験に囚われすぎて、次第に行動様式が時代遅れになっていく。Bの方はAが想像できないような方法で新機器を駆使したりして、遂には時代の先端の浅めの知識では、BがAを凌駕するのも珍しくない。よくあるだろう。
陳腐な言い回しだが、頭脳や思考の柔軟性というのは、中長期的にはそれ迄に培った「(古い)知識」や「その時点の常識」に勝る場合が多い。例外もあるが、結局は「以前」にこだわる人達の常識を、駆逐してゆく。そうしないと必要な変化が起きないというのもある。ここ30年くらいの日本の会社も、同様にそれまでの成功に囚われており、失敗を重ねる原因の1つであるのは異論ないだろう。囚われている期間が多少長過ぎる(現在も進行中)ような気もするが…
資産家、投資家にもこのような常識や成功体験は大きな問題となりうる(と思う)。個人的な話をすると、俺自身は完全にAタイプであり、アタマが固い。いつも常識や知識に囚われている。帰納的に物事を考えてしまう。とても柔軟とはいえない。従って冒険もしづらく、機会を失いやすい傾向がある。基本慎重なのはいいが、いつも慎重というのは問題だ。慎重になるのは、然るべきときに前に出てリスクを取るためのはずだ。
だから投資でも影響がある。俺自身の売買した範囲だが、理詰めで買ったもの、感覚重視で買ったもの、当然両方があるが、有意な成績差は無い。なんなら、少なくとも短期間で言えば、感覚重視の方が結果が良い。理詰めだと、どうしても市場破壊的企業とか、超野心的な会社など、避けやすい。ぽっと出だとどうせこんなのダメだろうと先入観を拭いきれない。他方、感覚買いは勇み足も多くて、塩漬けの保有株のほとんどはこの原因だ。
つまり、俺の目指す成長重視の長期投資では、今の所、Bタイプ圧倒的優勢頭脳、感覚重視思考で投資判断すべきという結論だ。もちろん知識、常識、分析、完全無視という訳にもいかないが、俺の脳の構造だと必ずそれらが無意識にでも影響してくるので、感覚重視でちょうどバランスが取れる。感覚で最初選んで、その後数字を分析するといった具合を目指したい。普通か。
ということで、これから先、俺の投資において最大の敵は、世界の不況とか、間抜けなアナリストとか、日本の少子化とか蜂の頭とかではなく、俺自身の中にある愚かな常識なのだ。皆さんはどうだろうか。