巨大IT企業の独占は問題なのかを考える。何の専門家でも無い、一凡人 求職中の素人視点なので、真に受けず疑って読んでくれ。ちなみに、俺は巨大IT企業の何社かの株を持っている。その辺も各自読み手は考慮して、読んでくれ。
「GAFAの独占」
今日もどこかで、これら巨大IT企業(あるいはこれら4社をはじめとした他の巨大IT各社も含めて)を否定的に論ずるのに唱えられているお題目だ。問題が全く無いとは思わないが、俺はこれら巨大IT企業4社の批判はシックリ来ない。
「独占」といえば、普通は1社を意味するのに、GAFAは4社、すでに矛盾がある。表では商売でぶつかるGAFAが裏で結託して一体となって世界征服でも企んでいる「GAFA帝国」1社なら、それが世界を独占という疑問はギリ成り立つかもしれないが、その証拠はない。どちらかといえば競合分野や様々な裁判で争い、お互いに常に緊張関係にある様に見える。だが確かに裏ではどうだか分からない。でも知りようがないから気にしてもしょうがない。
それぞれが異なった分野で1社独占なのかというと、検索は別として、スマホ、SNS、EC、クラウド等ではそれぞれ強力な競争相手が存在する。市場占有1位かもしれないが、独占とは言えないだろう。
そもそも、多くの分野で独占、あるいは何社かで寡占等というのはここ何十年ではごく普通の状態であり、何十社何百社がへしあう市場のほうが珍しいから、GAFAの現状も特段恐ろしげな様相ともいえない。ゲス推測すると文句を言うのは4社によって何らかの好ましくない影響を受けた人や組織、乃至思想的に資本主義や地球規模経済を否定的に見ている人なんじゃないだろうか。
4社が「情報」を独占しているという意味でも使用される。情報独占はイカンという訳だ。しかし競合会社も同様に情報を集めている。市場占有1位の会社だけは情報を集めてはイカンというのもオカシイ。それなら個人情報を集めるのはどんな会社でもイカンというのが筋だ。
しかも古い会社だって、小売なら会員情報で何を買っているとか記録しているだろうし、携帯電話だって契約に個人情報をもらっているのだ。なぜそれらが許されて最近の巨大ITだけがダメなのか。GAFAは何やら高度な技術で変に利用されそうでイカンというのかもしれない。だがそれは今に始まったことじゃなくて、IT以前の顧客情報だって変に利用されていた可能性だってある。
情報に関しては、「漏洩の危険性」を危惧する向きもある。確かにその危険はある。だがこれも顧客情報を扱い始めた大昔から同様の危険はある。最近だけ危険だからイカンというのもおかしい。零細企業だって顧客情報を集めているところはたくさんあり、それら企業にも同じ懸念がある。巨大ITだけが危険なわけじゃない。中小では機密保護対策が十分で無い会社も多いから、より危険度が高いかもしれない。
あるいは、各社の経営基盤(「プラットフォーム」とも言う)上で不当な圧力を使うという懸念はあるだろう。たとえば自社のサイトで任意の情報をわざと出す・出さない様に制御するといった具合だ。これは法律に違反せず好業績に繋がるとなれば、自律的に避けるのは難しいかもしれないが、巨大ITを分割したり、市場専有度を無理やり下げたところで修正されるものでも無い。ただしもしそれが経済倫理にあまりにも反しているのであれば、いずれ業績に悪影響があるはずだ。すなわち株主から修正の圧力がかかり、中長期的には解決の方向に自律的に向かうのだ。
という事で、まとめると、GAFAの巨大化、各市場の寡占は取り立てて心配する程の事では無い。どうだろうか。