富裕層の資産溜め込みについて考える。
何の専門家でも無い、凡人 (求職中) の素人視点なので、真に受けず、疑って読んでくれ。
突然だが、資産家や富裕層は「資産を溜め込んでいる」とよく言われる気がする。
果たしてそれは正しいのか?
「溜め込む」が何を意味するかによるが、結論を先に言うと、多くの場合で正しくないと思われる。
では、どのような場合に正しいのか。
俺の考えだと、「溜め込み」は、限られた物資を隠して貯蔵して値が上がるのを待つような場合だ。例えば時代劇の悪徳商人が飢えた農民を尻目に米を蔵に隠し持つのは、正に溜め込んでいる。最近だと、マスクや消毒液の需要が著しく高い時に、困っている人々を無視して会社の倉庫で値上がりを見込んで在庫を維持するのも同じだ。あるいは規模の大きいのでいえば産油国団体が石油を売り渋ったり、必須希少資源の産出国が輸出規制するのも広義での溜め込みかもしれない。
逆に、供給が特に滞っていないものをたくさん持っていても、それは溜め込んでいるというよりは、沢山所有しているというだけだ。それをたくさん持っている事で、特に困っている人がいないのに、文句を言われる筋合いではない。
つまり、異論あるだろうが、何らかの資産独占が、社会に悪影響を与えるのが条件だ。
資産家批判の文脈で使われる場合はこの条件に当たらないと思われる。
なぜなら、仮に資産家が「金庫に現ナマ山積み状態」、つまり現金大量保有状態だとしても、普通は他の人が紙幣が無くて困る程にはならない。そもそも違法蓄財でもなければ、現金を沢山持っておくような、そんな非合理的な資産家や富裕層はいない。
また富裕層の多くは「金融資産形成」しているが、公開されている株を独占占有してはいない。流通していれば誰でも時価で購入できる。半数以上を1人が持っていればその会社自体は「ほぼ専有状態」だが、それらの株式が合法的に取得されている場合、批判してもしょうがない。実際そのような公開企業はある。
また、公開されていなければ余計に専有状況が維持されやすいかもしれないが、公開非公開は究極経営判断、専有されてずるいといってもしょうがない。専有状態が批判されるからと言って公開したり株を他に売ったりするのは、それだけが理由なら非合理的だ。大体、どんな会社や企業も株式が集中しているからと言って、社会に避けられない悪影響が及ぶというのはどれだけの邪悪企業なのか、そんな会社は長く存続できないだろう。
株式は購入資金が結局社会に出回るから、どっちかといえば溜め込んでいるというより金を回している。創業者も最初は自分の金や借金で株主になる。銀行預金でも同様、銀行は貯金を運用するから金回りに貢献している。資産家にとっては溜め込んで運用しないのは非合理的だ。不動産も同様に購入で借金したりしてお金を回している。溜め込みの逆だ。
そもそも、溜め込むというのは「嫌がらせ」でなければ儲けを大きくするためと思われるが、何かを多少溜め込んだところで大きく儲けるのは難しそうだ。だから例えば富裕層がマスクを買い占めるとは思えない。また、大きく儲けるにはリスクも大きい。なぜなら値が上がると他が商売になると見て廉価で代替品を出回らせて自分の在庫価値が下がってしまうかもしれないし、そもそも大量の物資は保管に費用が掛かってしまう。普通に真っ当な?事業に集中したほうが儲けの最大化には合理的だ。
つまり、資産家や富裕層が「資産を溜め込んでいる」というのは的を得た指摘じゃないと思う。彼ら彼女らは、持っている資産価値、時価が高い。所有資産価値の専有度が高いといえる。それについては、機会があれば今後の投稿でまた考える。どうだろうか。