昨日に引き続き、超富裕層と健康についてだ。昨日は著名な、大正生まれまでの日本の超富裕層をとりあげた。
創業して、その後経済界で名を成した方々は「総じて長命の印象」だが、「超富裕層と寿命」としての結論は、「金持ちだったから長命」というより「健康だったから、超富裕層入りも成し得た」という普通の結論だった。会社を成功させて大きくするとか、資産家とか、超富裕層等々、達成には時間がかかるから当然だ。
「超富裕層になるためにはまず健康」という凡庸な推測がされたところで、本日は超富裕層と健康寿命について考える。
昨日も書いたが、健康寿命というのは「健康上の理由で日常生活が制限されず生活できる期間」と定義されている。いかにも日本的用語かと思ったら、「Healthy Longevity」あるいは「Healthy Life Expancy」、「Healthy Life Years」という、WHOの提唱した指標らしい。2019年までずっと日本が男女とも世界一長く74.1年、その他先進国(Developed Countries)では低くて70年、例外は東欧旧ロシアの国々が66年から68年位。米国以外はすべて上昇傾向。米国がなぜ健康寿命が下落傾向なのかいろいろ議論があるようだが、ドラッグ、メンタル、格差、等々を挙げる人が多い。
本日は深刻な米国の健康問題ではなく、日本の健康寿命をもう少し考えてみる。
ところで、資産額と健康寿命の相関はどれくらいだろうか。そういう直接の統計は見つからなかったが、都道府県別の健康寿命で乱暴に推測できる。
以下、健康寿命の上位と下位(2016年):
男性
1位:山梨
2位:埼玉
3位:愛知
4位:岐阜
5位:石川
:
42位:奈良
43位:高知
44位:和歌山
45位:徳島
46位:愛媛
47位:秋田
女性
1位:愛知
2位:三重
3位:山梨
4位:富山
5位:島根
:
42位:奈良
43位:滋賀
44位:徳島
45位:京都
46位:北海道
47位:広島
以下、家計資産の上位(2014年):
1位:東京
2位:神奈川
3位:愛知
4位:埼玉
5位:奈良
6位:福井
7位:静岡
8位:千葉
9位:滋賀
10位:富山
:
26位:山梨
:
43位:宮崎
44位:長崎
45位:鹿児島
46位:秋田
47位:青森
以下、金融資産の上位と下位(2019年):
1位:神奈川
2位:奈良
3位:愛知
4位:富山
5位:岐阜
:
43位:北海道
44位:宮崎
45位:青森
46位:鹿児島
47位:沖縄
どうだろう。
これを見ると、「家計資産」と、「健康寿命」には、強い相関は無い(と思う)。だが、「金融資産」と「健康寿命」には少し相関がある。にもかかわらず、奈良県は家計資産も金融資産も上位なのに、健康寿命は下位。一方、愛知や北陸3県は、資産も多くて、健康寿命も長い。
これを乱暴に結論付けると、「資産額」は「健康寿命」に相関するが、もっと相関度が強い何かがある。因みに「富裕層」は日本に満遍なく?分布しているようだが、比較的割合が高いのは首都圏は当然として、あとは東海北陸が高い。
奈良は改善の余地がありそうだ。また、山梨は資産額は中位よりちょい下、しかし健康寿命では全国屈指だ。両県の県民性を誰か調査してほしい。
そして、肝心の「相関度が強い何か」とは何か。色々あるだろう。例えば、医療機関の充実度とか、健診の浸透とか物理的、政策的要素は当然影響しそうだ。
その他、生活様式でいうと、やはり何らかの社会参加、特に仕事が影響しているという記事が多かった。統計でも、「高齢者の有業率」が、山梨、長野(健康寿命はさることながら平均寿命は男女とも日本一)、東海、北陸、が高い。ちなみに奈良は低めだ。
もちろん仕事以外の社会参加でも良いのだろうが、無職の俺が言うのも何だけれども、手っ取り早い?のは職務だ。という事で、超富裕層になるためには、健康を維持する必要があり、そして健康の維持には、社会参加、そして仕事を持つのが良さそうだ。どうだろうか。