超富裕層と寿命について考える。
唐突だが、少し前の報道によると、日本人の平均寿命は、2020年、男性で81.6歳、女性が87.8歳だそうだ。ちなみに、「健康寿命」というのもあり、2021年男性で72.7歳、女性は75.4歳だそうだ。「健康寿命」というのは、「健康上の理由で日常生活が制限されず生活できる期間」という事だ。
ここで俺は低俗?に想像を働かせてしまう。
果たして資産額と寿命、健康寿命、果ては認知症とか、ガンとか、相関あるのだろうか?
あるとすれば、どの位あるのか?
本日は寿命、健康寿命について題材にする。認知症その他は機会があったら、いつか調べる。
5年以上前の米国の調査では、「所得上位1%と下位1%では、男性で平均14.6年、女性で10年の平均寿命の格差がある」という事だ。「最上位1%と下位1%」を比べても極端すぎる気がするが…また、「所得」で比較すると、「資産額」の影響が薄れてしまう。
一般的には、「健康(Health)」と、「富(Wealth)」の間には、様々な視点から相関がある(らしい)。例えば、GDPが高い国々は平均寿命が高いとか、教育水準が高いと(教育水準が高さと、富は関連する)寿命が長いなどだ。あとは医療が適切に利用しやすいというのもあるし、喫煙率や飲酒量にとても留意するとか、運動を心がける割合等も影響して、有意だ。まぁだいたい想像通りだ。
だが、超のつく富裕層達はどうだろうか?バフェットはすでに超高齢だが、他の多くの存命の著名超富裕層達は、まだ比較的若い人も多いから、寿命に関してどうなるか統計は取りにくい。
そこで、日本の歴史上の超富裕層を調べてみる。数が多いので、大正生まれ(1925年産まれまで)までを調べてみた。書いていて思ったのだが、親の遺産とかでなければ、何にせよ財を成すには時間もかかるし、そういう場合は最初は体が資本だから、創業して成功したような人達は、すでにそれなりの健康があったと考えられる。考えてみれば当然だ。
石橋正二郎:1889-1976(87歳没)
大塚武三郎:1891-1970(78歳没)
松下幸之助:1894-1989(94歳没)
盛田昭夫:1921-1999(78歳没)
中内功:1922-2005(83歳没)
毒島邦夫:1925-2016(91歳没)
この程度では標本数が少なすぎるが、書いていたら飽きてしまったのでこれくらいで許してくれ。もちろんこの前後にもたくさんいる(と思う)。
大昔というのは「平均寿命」という概念は無かったらしく、「簡易生命表」というものからの概算値だそうだが、それによると1800年代は男が43歳だった。今は完治するが当時は不治の病もいくつもあった。それらを生き延びた事もあり統計的には大塚、松下、石橋各氏は超長命であった。
「平均寿命」的なものが伸び始めるのはどうも1935年生まれ以降だ。それ以前は1800年代とそう変わらず、45歳以下だったらしい。戦争による影響も大きい。とにかく、上記盛田以下3氏も平均からすると超長命だということだ。
細かい事はわかりようがないが、彼らを含めて大金持ちが金を使って健康を維持して、寿命が伸びたという一面もあるかもしれない。
しかし、俺が思うに、事業計画を考えて、仲間を集めて、創業して、商売を起動に乗せて、大組織を長期間儲けを出すように維持して…等という神業をこなして、財を成した人々は、金持ちとか超富裕層だから健康で長生きというより、元々健康だからこそ、超富裕層になれたという面が大きそうだ。だから、長生きするために金を貯めようとか資産家になろうというのは順番が違うかもしれない。どうだろうか。