「State of the Union Address(一般教書演説)」の内容について考える。
昨日の米国大統領による「State of the Union Address (一般教書演説)」は、概して無難、驚きは無く、つまり総じて予想の範囲の内容だった。なぜなら、その後それほど内容について報道が盛り上がっていない(といっても毎年、こんな感じだそうだ)。有権者の評価も総じて肯定的だが、元々批判的なメディアでは否定的な統計も多くて、どうもハッキリした反応がわからない。とにかく総じて普通だ。せっかくだから本日は少し内容を振り返る。
冒頭、ウクライナについて長尺を取った中で、「ロシアのオリガルヒ」について言及があった。原文については興味があれば各自調べてほしいが、論旨としてはロシア経済に圧力をかける意思と内容の文脈の流れで、「ロシアのオリガルヒ」についても「腐敗した指導者」と同様に犯罪や贅沢品や不正な収入を「Special Task Force(特別任務部署)」を編成して追求すると行った感じだ。今まで無かったのか?
インフレ対策としては、まずガソリン価格の上昇への対応としての備蓄原油の放出、それから自動車の価格上昇は物流や半導体の不足が原因として、製造業の国内回帰をすすめるとした。また、それに絡めて家計への負担上昇への対策として、薬品の支払い負担軽減策、そして、環境対策とエネルギー費用対策として環境対応した家や施設への減税、加えて育児世帯への減税や家屋費用の補助、最後にこれら対策の財源のための増税は、年40万㌦以下の年収家庭や個人への負担は1ペニーも無いとの事だ。その後は、税金をあまり払っていない企業などの批判とその対策に触れるなど、インフレ対策の言及というかそれら企業への批判に相当時間を使った。この辺りは中間選挙対策もあるだろうが上院通過が果たせていない法案の趣旨を再度なぞっている。
その大統領肝いりの「Build Back Better Act」自体については、直接の言及がなかったので、もう諦めたのか、依然として再度協議して合意、議会通過を目指すのか、よくわからなかったが、他の「Act(法案)」については「Bipartisan Innovation Act」、「Affordable Care Act」、「 Paycheck Fairness Act」、「PRO Act」、「Vote Act」、「John Lewis Voting Rights Act」、「Disclose Act」、 「Equality Act」等など多くの言及があった。総じて労働者、育児家庭、有権者、トランスジェンダー等々への配慮が主要な法案だ。でも俺もよく知らないので興味があれば調べてくれ。
その他では感染症対策に相当な時間を割いたが、基本はワクチン推進、そしてテストキットを各家庭にもっとたくさん送りつける?計画を同時に推進するという感じだ。
演説後の世論調査ではどうも米国人は感染症はもはや半分過去に成っておりあまり気にしておらず、やはり中心は物価上昇対策を含めた経済対策と、外交問題としてはウクライナ危機であった。経済対策は今までの「Build Back Better」の内容に則ったものが多く、ウクライナ問題は経済制裁だけという方針がすでにはっきりしており、双方目新しさはない。ということで内容としては繰り返すが、普通だった。最後に「日本」については一度制裁に参加している他の国々の一つとして出てきたのみで、取り立てて扱いは無かった。どうだろうか。