ロシアの債務不履行(デフォルト)について考える。
今更だが、ロシアへの各国の金融制裁により、「ロシアの債務不履行(デフォルト)」の可能性がよく報道されるようになった。
実際どうなるかは誰にも分からないが、もし債務不履行(デフォルト)が起きたらどうなるのか?それも当然誰にもわからない。いくつかのネット記事をまとめると、次のようなことが書かれている。全て、憶測や推測がベースのものだろうから、完全に信用できる訳では無いが、複数の記事に同じように書かれていた事を羅列すると:
- ロシア国債は、1998年にも債務不履行(デフォルト)の危険があり、その余波で米国の大手投資ファンドが破綻するなどの影響があった。しかし、当時は今回のような金融制裁や金融システムからの除外で、世界経済からここまで孤立していたわけではない。また、1998年の危機の際、外貨建ての債務は基本的に支払われ続けた。
- 最初に債務不履行(デフォルト)の危険があるのは、ロシアのドル建ての国債等。報道によると利払いと元本などで3月中に約7億ドルの支払いを控えている。SWIFTからの除外、ロシアの中央銀行の資産凍結なども支払いの障害の要素となる可能性がある。
- ロシア大統領は、土曜日に法令に署名し、ロシアとロシアの企業は、資本規制が実施されている間の債務返済方法として、ルーブルで外国債権者に支払いを行う事を許可した。
- ロシアには3月16日に期限が到来する約1億ドル相当のドル債のクーポンがあり、ルーブルで支払うオプションはない。ロシア大統領の命令に従ってロシアがルーブルで支払うことを決定した場合、それはデフォルトとして扱われる可能性がある。
- ロシアはこのような事態を想定していたのか、外貨準備を高めていたので、金融制裁にある程度は備えている(報道によると今年1月時点で6300億ドル)。だが、中央銀行の資産凍結により、外貨準備が約半分に削減された。依然として支払いが滞り無く行われるか、注目されている。
- 中国や日本が、このような金融制裁の抜け道になる可能性があると言われていた。
- 一方、ルーブル建て債権を持つ投資家は、制裁措置により事実上ロシアの保管口座から遮断されいる。
- ロシアの信用格付けは、ある格付け機関によって、債務不履行(デフォルト)より一段階高いレベルに格下げされた。
- 世界中の投資家が、新興市場の債権ファンド等を通して、数十億ドルのロシア関連証券を保有していると見られている。通常、債権がデフォルトすると、それを含める債権インデックスから除外されるが、現在の制裁化では既存のポジションを整理できないため、ロシア関連の債務・債権には問題が生じている。
- 大手のファンド等は、先月中にある程度のロシア関連のポジションを整理している可能性がある。また、個人投資家の多くは、それに少し遅れて債権等を投げ売りで処分した可能性がある。
という事で、素人には小難しい話が多くてよくわからないというのが正直なところだが、とにかくロシア政府やロシアの企業が、その利払いや債務返済で、ルーブル急落と金融システムからの除外が障壁となっているのは事実なようだ。債権を所有している側も、現在は整理したくても市場が見つからず、市場で取引が普通に可能になるまで身動きがとれないといったところか。
個人投資家としては、ロシア政府や企業などに直接投資していなければ当座できることは限られているかもしれないが、間接的にそれらの資産に関連する商品を所有していれば今後の状況次第で影響があるかもしれない。どうだろうか。