ユニクロ柳井氏のロシア関連発言について考える。
報道によると、多くの国際企業がロシアでの事業を凍結したり撤退したりという決定をする中、ユニクロ(Fast-Retailing、ファーストリテイリング)はロシアでの商売を維持して、店舗も営業を続けると、ユニクロの所有者(以下、「柳井氏」と略)」が明言した。
柳井氏といえば日本でも有数の超々富裕層、本日はこれを題材とする。
ちなみに、この投稿時点で、ユニクロだけでなく、マクドナルド、バーガーキング、コカ・コーラ、ペプシ、トータルエナジーズ(フランスの国際石油資本)など、ロシア事業を継続する国際企業もその他いくつもあるらしい(投稿後の3月8日にこのうちいくつかの会社が少なくとも一時的に全店舗の閉鎖を決定)。米国の大企業の権化の各社、そして欧州の国際企業もいくつもあるようだが、未確認なので列挙しない。とにかく、だから良いというわけではないが、ユニクロだけが営業を続けるわけではない。ユニクロはそのような企業のほんの一部だ。だが、日本企業としては、現在槍玉に上げられているのはここのみなので、日本人には特別目立ってしまう。
それにしても、このような多方面からの批判の予測が比較的簡単な方針を明確にするというのも、結果どうなるかは分からないし根拠が何かわからないが、それなりの決断だ。繰り返すが間違った決断かもしれない。わからない。
柳井氏といえば、人権問題が噂されるウイグル地域においても、不穏な発言と言うか、政治と商売は別だから自分達はその地域での事業を維持するというような事を言って、顰蹙をかったばかりだが、真偽はともかく今回のロシア発言により、大陸勢力寄りの印象が一層付いてしまうかもしれない。だが、この損得もわからない。
素人目線で考えると、いくらこの「逆張り?」で今後ロシアで儲けられそうだとしても、その他の国々でボイコットでも起きれば採算が合わないような気がするし、そうでなくてもブランドの評判に影響する可能性がある。ルーブルも暴落しているし採算も合いづらくなってくる。
だが、もはやウイグル事業に関してはあまり取り上げられなくなった。つまり見方によっては、「有耶無耶にした」とも考えられる。従って、同様に「乗り切れる」と踏んでいるのかもしれない。衣料事業を継続すること自体は、確かに戦争とは直接関係無い。より多くの会社が事業を停止すれば経済的圧力が強まりひいては今回の侵略に圧力がかかるのも事実だが、それと事業継続を比べて商売人らしく冷酷に算盤を弾いているだろう。その判断はウクライナの人達をはじめ多くの人に不愉快に感じられるが、犯罪に加担しているわけではない。それにしても戦闘が長引くかもしれないし、普通に見るとリスクが大きい感じがするが…
それはいいとしても、俺から見ると、変な発言をしてしまった。柳井氏は報道によると、ロシアの人たちの衣料へのアクセスの権利も大切という趣旨の説明をしたらしい。倫理というか人道というか、金儲けは別として俺たちはやらなきゃいかんみたいな趣旨の事を言った。どうも柳井氏はこのように格好つけるというか、前に出て独自の考えを披露する癖があるのか、俺からすると話さざるをえない機会があるまである程度引っ張って黙っていればいいのに、わざと火中の栗拾い的な性格なように見える。株主だったら、ハラハラしてみていられない。
まぁ性格はいいとして、たしかに「ロシアの人たちにも衣料を提供」も一理あるが、それだったらウクライナの人たちも同じだから、ウクライナでも戦火でも服を売らないと辻褄が合わなくなる。だが、ユニクロのグループ店舗一覧によると、ロシアには50店舗ほどあるが、どうもウクライナには少なくとも直営店は無いらしいのだ。
もし本当にロシアに経営資源をある程度集中しながら、ウクライナには店舗展開していないとすれば、今回のような発言をすると「侵略でユニクロがロシアの肩を持つのも自然」とねじれた勘ぐられ方をされてしまわないだろうか。本当はそれは事実とかけ離れているにしても、そう批判される可能性がある。その是非は別として、商売の損得で言えば損になりやすそうだ。どうだろうか。