インボイスについて考える。
今更だがインボイスについてだ。
近い将来の制度導入に伴い、その功罪を様々な利害関係者達が侃々諤々の議論でネットを賑わせている。国会質問でも取り上げられて注目されている。
インボイスとは一体何か?等という「よくある題目」は、税金の専門家等に任せておいて、ここは超富裕層だったらどう見るかを考えてみる。制度導入で一体どのような影響が、どのような人達に、どのような形で及ぶか分からないが、導入前の考えを残して導入後再度読み返すのも勉強と考えて本日の題材とする。
結論を先に書くと、消費税の事業活動での扱いが明確になるなら、「損をすると思われる」当事者は別として、超富裕層は制度に大賛成だろうと推測する。実際、所謂「大金持ち」と推定される人達からも、目立った反対論も無い。
お金に纏わるテーマは超富裕層の研究と関連するし、投稿のためにも「少しは消費税を知ろう」という事で調べたが、政治的判断で様々な手が加えられている為か、分かり難かった。
例えば、以下の様な題目がよく説明に出てくる。
- 消費税を負担しているのは誰か
- 消費税納付義務があるのは誰か
- 消費税、付加価値税、売上税、の違いは何か
- 仕入税額控除と請求書保存方式はどう関係するか
- 消費税の「簡易課税制度」とは何か
- 「免税事業者」とは誰の事か
正直、俺もこういうのを含めて消費税の仕組みとインボイスとの関連を「充分理解した」には程遠い。とにかく「大体のモノやサービスの値段の1割が、何らかの経路で国庫に収まる仕組み」等といった単純な話では無い様だ。
しかし重要な点として、
- 現在は「消費税として納税しても良いが、業者の合法的裁量によって合法的に納税せずに済む」お金が相当ある。
- インボイス制度導入によって、それらが合法的に「税収」となると見込まれている。
上記2点はおそらく正しいと思うが、俺の調査能力の至らなさの為「確証」は無い。一応ここでは正しいとして論考を進める。
第1点については、「事業者免税点制度」と「簡易課税制度」が根源らしいので、興味があれば調べてみてくれ。業者としても、バレないからといって誤魔化し虚偽申告するのは論外にしても、計算法Aと計算法B、どちらでも良いと言われたら、納税額をなるべく低くする方法を選ぶのは当然だ。
第2点については、上記2制度等による「合法的裁量」が、インボイスでお金の流れが明らかになる事によって「非常に狭まる」乃至「ほぼ無くなる」からだ。
改めて当事者以外から見ると、これは単なる「既得権益」構造、つまり受益者以外はワリを喰う仕組みだ。制度によってそのお金の流れが変わって、その分が(少なくとも今よりは)平等に使われるのならば、改善だ。従って直接利害関係者以外は反対する「強い」理由は無い。
裁量によって生じる「差額」がどれ位なのかも重要だが、人間の性と経済規模と反対派の熱心さから推測して、何千億円よりもっと多いかもしれない。
反対する人達は、色々な理由で抵抗している。基本は単純に自分達がマイナスの余波を受けるからで「合理的抵抗」であるが、資産家以外でも直接影響を受けない人(消費者)が大多数だ。主に反対で騒いでいる人達は直接利害者の自営業、フリーランス?、大多数の消費者は直接取引しない。
そもそも制度導入は民主的に決まっており、「俺たちには都合が悪いからやめろ」というのも無理がある。
「物価が上がる」と問題視する人もいる。物価は他の原因もあるから、そもそも制度でどれだけ影響があるか計算しにくいし、実際それで上がるとしても、普段消費する向こう側は大企業も多くてそれらはすでに消費税を標準処理?しており、制度による影響は限定的かもしれない。
という事で、まとめるとお金の流れが明白になり、それに伴い多額のお金が「一部の人の懐」から「国庫」に移るならば大賛成だ。どうだろうか。