金利上昇を屁理屈で考える。
今更だが、どうも最近?日本の長期金利の上昇について色々議論されているようだ。意見は様々だが、大勢としては日本社会全体としてはどうも「あまりよろしくない」という意見が多い。
しかし、ここは敢えて屁理屈立場をとって、こう無責任に断言する。
多くの人にとって金利は心配無用、心配するなら他の事を心配した方が大体の場合、生産的だ。
まず屁理屈大前提として、金利に限らず、株価でも、円相場でも、経済指標は何でもそうだが、上がっても下がっても、それなりに良い面と悪い面があり、血圧や血糖値等と違い、この値(の範囲)が絶対正義というものは無い。
その代わりあるのは、今より上下するとそれなりに得をしたり損をしたりする勢力がいる事だ。
つまりもう1つの屁理屈大前提は、指標の上下では必ず利害関係者が居り、そういう連中はその立場で発言するから、特に古い報道機関の記事などには騙されないように気をつけないといけない。
金利で言えば、数年前の低金利時代に固定金利住宅ローンを組んだ人達は、金利が上がる程返済が楽になる。逆の立場では変動金利だと不安要素となる。
政府にとっても、借金の利子は嵩む一方で借金額自体の実質量が減るので全体では債務軽減となる。このワリを食うのは納税者だ。
また、現在はそうなってはいないようだが、普通金利上昇でははその通貨が高くなるので、ドル安に賭けている人は得をするかもしれない。
従って、損する立場で今後金利上昇が続くともっと困るというなら損切りするとか、固定金利で住宅ローン借り換えするとか、円が動くと予測するならばそれで得するよう投資すれば良い。借金が必要だが金利が今後も上昇しそうだと思えば早めに借金すればいい。
とにかく、数パーの穏健な上下ならば心配でストレスを溜める程では無い。
では穏健ではないハイパーインフレになったらどうか?
公的なお金が回りづらくなって、治安維持の費用が無くて犯罪が蔓延るとか、インフラを維持できなくなり、水道電気に問題が出るとか、補助金不足によって医療機関が立ち行かなくなって市民が怪我や病気に無防備になるとか、そういう事態になったら困るのは確かだ。
ハイパーインフレは色々定義があるようだが、生活に支障が出るのは例えば年50%が何年とかか。
たしかに「絶対無い」とは言えない。
だが歴史的にはハイパーインフレは、戦争や革命が起こったり超独裁政権が要因だ。
日本は戦争は無さそうだし、日本は外貨資産が多くあるし、産業もそれなりに発達しているし、民主主義はそれなりに定着していて独裁にはならないから、仮に1、2年高インフレになっても収束する可能性が高い。
従って俺はそう(ハイパーインフレ)はならない方に賭ける。
そもそもハイパーインフレでさえ、混乱を極めるにしても、一方でインフレに強い資産を持っている人達の富は増す。あるいは、様々な価値が乱高下するので少ない元手から大儲けの機会も増える。
基本、国民全員が窮乏を極めるわけではない。資産のない人達、様々な分野での弱者が割りを食うが、政府や他の人達が援助する余裕は多少はあるだろう。
それでも一人でもそのような悲惨な目にあう人がいては困るから、金利の上昇を今くらいでも厳しく政府に圧力をかけて食い止めろという主張もあるだろう。それも一理ある。
だがそういう優しい?人達に聞きたい。
では一体、金利が何パーになれば良いというのか。
そして仮に国民の同意が「X%維持」で得られたとして、それをどうやって実現するのか。
日本銀行としても、物価の安定のために、時に適正とされる値から上げたり下げたりする必要があるだろう。実際10年ほど前は酷いデフレ状態から脱却するため、金利を著しく低くした。当時はデフレ状態による弊害が大きかった。
中央銀行が金利を未来永劫固定するのは非合理的だ。という事は金利は上下に結構大きく動き、その要因は制御できない要素も多い。
だからハイパーインフレ状態にならなければ、心配してもしょうがないのだ。それが俺の屁理屈結論だ。どうだろうか。

