米国大統領選挙と自民党の危機管理について考える。
今更であるが、米国大統領選挙が終わった。結果はご存知の通りだ。俺的には、超富裕層を目指す名目上、選挙期間中も選挙後も、どの候補者に対しても、投票結果も、肯定的にも否定的にも受け取らない。
ビッグテック企業の株主として敢えて言うと、テスラを除いて経営陣はほぼ民主党候補(以下、「KH」と略)を支持していた。経営陣の意見は程度の差はあれ、会社の事を考えているはずだから、所有株の比率の高い各企業にとってはそちらの候補の方が都合が良いと推定すると、株価上昇を考えてその候補を分析するというのはある。
当日は一応接戦という偏向報道に俺も踊らされて、長い一日になるかもと色々速報を眺めていたが、序盤の注目州の前に、ヴァージニア(VA)の開票が進んで変な感じになった。というのも、ここは歴史的にも世論調査でも民主党が強いはずだが、かなりの接戦で一時は共和党候補(以下、「DT」と略)が先行していた。結局その後KHが勝ったが、俺の独断感想だと各放送局で不穏な空気が増したと思う。
その後少し進んで、ノースカロライナ(NC)、ジョージア(GA)はDT先行で進んでいった。特にGAは前回もこんな感じで最後ひっくり返ったので「こんなものか」と思っていた。
しかし、中西部州の開票がどんどん進んでいってもNC、GAで差は縮まらず、最大の焦点州であるペンシルバニア(PA)でも同様の進行だったので、この時点でKH支持の各局の不穏さはどんどん増して言った。
開票に時間はかかったが一向にPAの差は縮まらず、またGAも結局現地時間の早朝にはDT勝利と報道され、その時点で各激戦州もDT優勢報道が多かった事もあって、またそこから1、2時間くらいしてFOXだけが当確を出したの速報を見るのをやめた。
元々アメリカでも日本でも報道やメディアでは大多数が「あからさまに」KH支持で偏向していて、その界隈は、結果が出て以降も今後が心配だとか日本にとっても色々大変な事になるとか、傍から見るとゴネている。米国民がDTは嫌だといって不満をぶちまけるのはまだしも、日本のメディアが「米国民の選出結果」を「日本人の立場でゴネる」というのもどうかと思う。「大変な事になる」「日米関係は悪化する」みたいな決めつけも、そうならない保証は無いけれども、この段階で不機嫌なメディア発言は無意味御宣託度がひどい。
俺も敢えて無責任に利いた風な文章で書くと、争いの構図としては、いつもそうなのかもしれないが、終始双方が相手を否定する感じだった。KTから見て「DTではダメだ」「DTでは米国が破滅する」「DTでは分断が進んで米国がひどい社会になる」といった感じだ。DTは刑事被告人でもある、アクの強い?候補であるから一層そういう意見が多かった。とにかくDTは嫌だ、ゴメンだ、という姿勢である。
いつもその要素はあるから是非はどうでも良いが、政権政党と対立候補が双方それに終始すると、余程の政治成果が無い限り、やはり政権側に不利になる。無党派層からすると、「成果が無いのに、それを論点にせずに対立候補を下げる戦略しかないのか」と思われてしまう。
それに加えて、DT側は、これも是非は分からないが、関税とか、(不法)移民対策とか、一応米国民のための対策という変化、印象付け、がすぐに思いつくのに対し、KHはDT否定以外はあまり印象が無い。一応中絶を含めた女性等少数派の権利を主張していたが、今までの民主党が言ってきた事とさほど変化が無い。そもそも生活に直結する経済問題に比べて関心が低い有権者も多いかもしれない。
日本の総選挙でも同様の構図で野党はDTよりも極端な与党否定の主張だけだった印象でそれが奏功、与党議席は激減した。
こう考えると、選挙は余程成果を出していない限り、挑戦者が「現職否定、現職非難」で押し通せば結果が出る事になってしまうが、実際はご存知の通り大統領選挙も総選挙も統計上現職勝率が高い。なぜなのか。
無責任に推定すると、これを踏まえると現職というのは「否定、非難」攻撃のスキを与えないのが、次回選挙のためには大切になるとも考えられる。KHもインフレ対策、国境問題、戦争への対処等々、「隙き」になった。自民党もお金の問題で脇が甘かった。
しかし、KHのは全て大問題で解決は難しい面があるのに対して、自民党の問題はこう言っては何だが些末で対処可能でどうでもよい政治資金処理、50議席も減らすのには見合わない。ひどい大間抜け具合が露呈した。どうだろうか。