経営者の政治的発言について考える。何の専門家でも無い、一凡人 求職中の素人視点なので、真に受けずに疑って読んでくれ。
結論を先にいうと、株主視点では、政治活動が盛んな経営者は望ましくない。
やるやらないはもちろん個人の自由だが、善悪は関係なく投資判断としてはプラスにはなり難いという事だ。国家元首や政党などを公の場で批判するとか、憲法、法律の解釈、理念信念、等で表立って争うのは、その意見や姿勢の是非は別にして、その会社の業績向上には効率的ではない可能性が高い。なぜなら反対意見勢力から不必要な敵視や反感をかってしまう。どのような主張や意見を持つのかは誰でも自由だが、経営陣の任期中は、公の場で政治的発言や政治的活動をするのであれば、その時間を経営に使ってほしいと思う。
企業のトップが政治的な発言をするのは、よくある事だ。
俺調べだが、そういう場合は、その企業の業績への直接影響を考慮して発言することが多い。例えば、消費税率が変わるとその企業業績に影響がある場合、自企業に好ましい方向へ導くよう発言するだろう。自然だ。
しかし、経営者個人の考えで会社の立場とは別に、公に政治活動する事もある。もしくは、経営者本人にその意思がなくても、結果政治的姿勢を疑問視される場合もある。
最初に書いた別姓の件で裁判が取り沙汰された。政治的な活動だ。アメリカでも大手IT会社の経営者が大統領に反発していると見なされた。真実はわからないが、実際に政府関係の入札に於いて悪影響があったと言われている(というか企業の方がそう主張している)。ある日本の大手アパレルの経営者も、国際的な労働問題で結果的には政治姿勢を問われてしまった(本人は政治色無しに経営判断すると主張したが、結果政治的姿勢を批判された)。業績への影響は軽微としても、好影響は無い。
勿論、大多数に支持されている方針への肯定的姿勢は好影響を与えうる。例えば差別問題は善悪が明白なため反差別の姿勢を明らかにしている経営者は多い。株主からしても好ましい。問題は悩ましい(賛否両論割れている)ものも世の中には多いという事だ。だからこうも言い換えられる。株主としても、善悪が明白な問題へ経営者が正しく発言活動するのは大いに結構だが、善悪がはっきりしない問題、微妙な問題、世論が割れているような問題には少なくとも任期中はあまり大っぴらに関わらないでほしい。善悪では無く、業績が心配だからだ。そして仮に経営者がその方針だとにしても、どこまでが「善悪が明白」か判断が難しいので、間違える可能性がある。従って株主としては、是々非々でうまく立ち回るのを目指すより、商売に関係のない所で巻き込まれないよう、基本目立たないで欲しいと思ってしまう。これは間違った要望だろうか。わからない。
また少し違ったケースだが、上記大手アパレル創業者社長はとある大陸地域の人種差別・それに伴う人権問題や強制労働に関して政治姿勢を明らかにせずそこの製造工場を維持すると発言、結果大炎上してしまった。政治的姿勢をあやふやにして避けたのは良いが、それが結果体制側の支持と取られた。避けたつもりが避けていなかった。本心はどうだったか分からないが、ここで経営者の力量が出てしまった。差別問題への配慮が本人はあるつもりだったろうが、結果的には認識不足だった。深刻な問題でも対処は難しい例だ。経営者の差が出る。結果論だが、理想的にはこの問題に関しては反体制的な姿勢を取るのが正解だったかもしれない。しかし是々非々は難しいので、次善の策としては取り沙汰され無い様にするしかなかったのかもしれない。経営者としては難しい問題だ。これも結果論だが、彼は当然算盤を弾いて最初そこに工場を作った。想像だが業績のため多少の地域問題は無視したのかもしれない。ただし、こうなっては計算が間違っていたと言える。
ただ、政治的には目立たない方が良いが、実際に差別的思想があるとか、現代では受け入れられない考えを持つ経営者は、それが目立たなくても株主が厳しく精査する必要がある。株主や資産家は金持ちとして批判されるが、ここは皆真剣になるだろう。なぜならまず差別などは問答無用で当然排除されるべき考えだ。そして経営者がそのような誤った思想を持っていると優秀な従業員が離れ、大切な顧客も少なくなり、業績に悪影響が出るからだ。本当は最初の理由だけで良い筈だが、2番目の理由でより多くの人が経営者を正しい方向に導こうとする圧力が働く。株式システムとはなんて素晴らしいと思わないか。