リゾート地への移住について考える。
何の専門家でも無い、一凡人 求職中の素人視点なので、真に受けずに疑って読んでくれ。
今更だが、時々、スキーシーズン用マンション等が格安で売りに出ている地域、タダ同然とか、10万円とか値段が衝撃的で、またリゾート地に格安で住めるかもという事で、度々ニュースになる。
だが、移住は果たして合理的だろうか。
「リゾート地」の定義は、みんなが主に「旅行で訪れる」「休暇を使って来たがる」ような場所と仮定する。
どのような場所が思い付くか。
旅行先で言うと、一般的には、北海道、沖縄とか、外国で言うと南国の海岸近くとか、涼しい高原とか大草原とか、楽しめる事でいうと、前述のスキーやマリンスポーツ、あるいは温泉とか、だろう。こういう場所で格安だと、確かに売れそうだ。
だが、購入して一年の内ごく短期間、休暇中に使用するのと、そこに住むというのは大きく違う。
リゾート地というのはその性質上、いわゆる大都会から離れた、交通も不便な、田舎にある。そうでないと、旅行で訪れても非日常感や開放感がない。
全国には「リゾートで大都会(あるいはその2つが近接)」な場所もあるだろうが、例外無くそういう場所の不動産は超高価になる宿命だ。つまり格安リゾート移住とはなり難い。東京が現在のような経済の集積を保ちつつ、マレーシアの様な気候で、なおかつ東京湾岸が全てハワイの砂浜のようだとしたら、夢のような話だが、必然的に東京の不動産は非常に高価になるだろう。
都会や市街地から遥か遠くに住むというのは、混雑や雑踏からは逃れられるかもしれないが、代償として様々な制約が伴う。買い物、外食、移動、教育、医療、会合、スポーツ、商売、等々、人が集まっているところでは普通に叶う事が、リゾート地では難しくなる。
乱暴に言うと、「リゾート地」とは「不便な場所」と同じ意味だ。水道電気道路が通ってゴミ処理が管理されていればいれば大分マシな方、基本地理条件は普通の荒野や不毛地帯と大して変わりない。ただ、不便であるが故に、未開発の土地が多く残る場所というのは、自然などに「見るべきモノ」、「楽しめるコト」がたくさんあり、旅行者の「いっときの」興味を唆るわけだ。普段居住している大都会では出来ないモノ・コトだからこそ価値があるが、それを延々と続けられたとしても、それほどの価値があるのか疑問だ。前述した南国の綺麗な海岸や美しくて涼しい高原などよりも、滞在が長くなってくると、コンビニとか本屋とかテレビとか駅前とか飲み屋とかカラオケとかスポーツ観戦演芸鑑賞とか(それぞれ人による)、場合によっては雑踏自体が、懐かしく、また必要になってくるのだ。都会で働く人間の宿命だ。
世の中には「不便自体を楽しむ」とか、詭弁を弄するというか、変わった人もいるので、そういう覚悟であれば良いのかもしれないが、都会の利便性がそれなりに維持できるだろうという甘い考えでは、実際はその保証は無い、乃至あり得ないので、リゾート移住は俺は合理的とは言えないと思う。同じ論理が何の縁もない田舎への移住にもあてはまる。田舎リタイアはリゾート移住と同義だ。
リゾートとか田舎は、時々訪問すれば充分だろう。
また、都会の一体何が不満なのか?と俺は不思議に思ってしまう。現在田舎とかリゾート地に、そこで生まれ育ったからとか理由があって、すでに居住しているならまだしも、今都会や市街地で暮らしている人がそこから不便で辺鄙な場所へ逃げ出す程の理由が、大都会にあるのか?都会はそんなに住むのに酷い場所だろうか?俺はとてもそうとは思えない。どうだろうか。