迷惑なジャーナリストのイッチョ噛みを考える。何の専門家でも無い、一凡人 求職中の素人視点なので疑って読んでくれ。
少し前のMLBの話だ。
2021年7月10日、ヤンキース(以下NYYと略)はヒューストンでアストロズ(以下HOUと略)と対戦した。試合はHOUのグレインキー、NYYのコール、両チームのエースの緊迫した投手戦で、NYYが3回に1点を先制、スコア1−0でそのまま9回裏のHOUの攻撃になった。コールは完封まであと1イニングだ。
先頭のアルトゥーベが中前打で出塁、続くブラントリーは中飛、グリエルが空振り三振の直後、問題?のシーンが起こった。
中継ではグリエルのスウィングが微妙だったのでそれに注目していたが、三振後すぐにNYYのブーン監督が小走りにマウンドへ向かっていた。ここまで投球数126、そして次が左打者だったので交代を告げに行ったのかもしれない。そして中継がそちらを移すと、コールが今風に言うとブチギレていた。集まった内野手、捕手、そしてブーン監督もあまりの怒気に恐れおののくという感じだった。
中継の解説や口調から推測すると、続投させてくれと頼むので無く、これは俺の試合だ、俺が抑えてケリを付けるから黙ってみててくれ、といった感じだった。まぁ解説を聞かなくても映像の雰囲気で大体それは分かる。
結局コールは続投し、次打者を剛速球で三振に切って取り完封した。
分業制が進んだMLBでもこういう事はよくあるのだ。しかも彼も普段は普通に交代するので俺も少し意外だった。実際同年5月12日のタンパベイ戦では、同じスコアで8回終了後降板し、9回はクローザーに任せている。投球数106だった。この中継も見ていたがベンチに戻って落ち着いた感じで、不満があるという感じじゃなかった。笑顔さえ見せていた。
しかも、MLBでは監督に反抗するのは普通はご法度だ。即座に使われなくなったりトレードにだされたりする。そしてブーンは俺の勝手な意見だがMLBの中でも闘志を表に出すタイプ、交代もズバズバ行い、勝利に徹する良い監督だ。選手の反抗を許すような感じではない。要はコールはエースの矜持を見せたという事だ。野手出身であるブーンが大エースの意思を反抗とみなさず、尊重した。もちろん諸所事情あるが、解説も好意的、NYYのファンもさすがコールさすがエースという感じだった。チームの状態もその後良くなっていった。
俺がこれを観て思い出したのが、10年ほど前、張本勲氏(以下ハリさんと略)がテレビのニュース系番組でジャーナリスト江川氏に楯突かれた?件だ。
俺はそれは観ていなかったが、ネットの情報によると、とある投手が交代したことについて、ハリさんが「エースはマウンドを守るべき」と言ったのに対し、江川氏が交代もアリだろう反論した。有名な一件だ。その後は俺調べだが、ハリさんが出演に関して要求を出したとか、交代を嘆くハリさんは時代錯誤だとか、ハリさんが悪いという論調だ。彼が正しかったという援護はあまり聞かない。
しかし、コールの件をもう一度考えると、ハリさんが言いたかったのは、こういう事だと俺は思う。ハリさんはエースの矜持を意味していた。だから少なくとも間違いは言っていない。俺のような素人は実際に観ないと分からない。そこでハリさんのような専門家がエースとはこういうものですとコールの様な場面を観ていない人達にも教えてくれるわけだ。そして、2021年にもある事で時代錯誤でも無いのだ。
翻って、イッチョ噛みジャーナリストの素人分析はどうだろう。俺には迷惑だ。スポーツニュースのコメントなら専門家の意見を聞きたい。「交代でも問題ないでしょう」と素人が宣うのは是非に関わらず不必要で邪魔な情報だ。あらゆる異論は成り立つが、それは充分な根拠と経験に基づいたものであるべきだろう。でないと、繰り返すが、その辺のファンがクダを巻いているのと変わらない。テレビ、しかもニュース番組なのだ。あれが桑田とか佐々木だったら筋金入り専門家だからこちらも聞くし、その場も丸く収まっていただろう。
ハリさんは現在、女子ボクシングに関しての発言で非難に晒されている。あの発言は問題だし謝罪も確かに良くなかった。江川氏もここぞとばかりに便乗非難している。しかしあの番組は少なくともスポーツコーナーは、良くも悪くもハリさんで持っていると思うので、これで降板などしないで、何とか世間に受け入れられる形で、継続して是非頑張ってもらいたい。どうだろうか。