金融所得課税の議論について考える。
何の専門家でも無い、凡人 (求職中) の素人視点なので、真に受けず疑って読んでくれ。
今更だが、選挙で、金融所得(株の売却・配当による所得)の課税が話題になっているようだ。
大雑把に言って日本は現在一律20%なので、累進で上がっていく、給与所得税率に実態を近づけようという趣旨らしい。間違えていたら申し訳ない。
細かい数字が無いと判断が難しいが、株式売却時の税金が上がるわけだから、中期的には売買ともにに手控える圧力がかかる。その影響かは分からないが、報道が出てから株価が下落した。時間とお金に余裕があれば、またいずれ税率が自分たちによくなるまで様子見するかもしれない。
利害関係者がこの政策により各自どのような行動をして、全体として上手くいくかはわからない。上手く行けば税収増を他に回せるし、ヘタを打てば景気に悪影響し逆効果になる。だが政党にとっては合理的、なぜなら少数派への税金だからだ。普通に考えれば、課税対象となるのは一部のお金持ちであり、割合にしても非常に小さそうだ。
それに「全体として上手く」いかなくても、選挙対策としては大変に合理性があるかもしれない。なぜなら「大金持ちから金を取る」というのは万人に甘い響きがある。いわゆる「メシウマ状態」を作り出せる。「メシウマ状態」が選挙に良い影響を与えるか疑問があるが、文句を言う人が少ないわけだから、メディアや演説などでも「ウケ」が良くなる。訴えかける方の政治家としては使いやすい文句になる。
仮の話をしてもあまり意味がないが、投資家で幾ばくかの株式資産がある俺に、もし仮に、条件が適用されるとして(適用されるとは限らない)、どのような影響があるか。
結論を先に書くと悪影響?は無い。富裕層、投資家、資産家であっても、相当な額の収入が無いと納税額はほとんど増えない。それどころか、焼け太るかもしれない。つまり、資産家優遇政策の可能性がある。
第一に、売却益を沢山出す必要がある人達に高税率がかかるが、上記の通り、多くの投資家、資産家はすぐに売却する必要が無いので、もしそうであれば少なくとも今すぐは関係ない。しかし、政策により、全体として株価下落の圧力がかかれば、より低価で株式を入手できる。費用が低減されて含み益が増し、焼け太る。
第二に、配当・利子収入が多い人達に高税率がかかるが、配当収入が少ない俺は高税がかかる程ではない。しかし政策により、配当株より成長期待の無配当株に人気が出る可能性がある。なぜなら、配当を納税するくらいなら、無配でその代わり会社内で再投資してくれた方が長期で得になる(配当収入を実質的に先送りにできる)、と投資家が考えるのは合理的だからだ。すると、そのような株式中心に投資している俺は株価上昇で焼け太ってしまう。でも下がってももっと良い。買い増すだけだ。
とにかく、俺の資産状況だと影響ないし、売却・配当が少ない(だが含み益が多い)多くの人達にも影響ないだろうから、誰か分からないがそれ以外の人が打撃を受けるという事になる。そういう人達も多くは富裕層に属するのかもしれないが、それ以外のもっと数が多いはずの、多くの準富裕層、資産家、投資家には響かない。
もちろん、上記のようなシナリオは沢山ある可能性のうちの一つにすぎない。だが俺のような投資家には悪影響無くて、「焼け太る」可能性だけがある、つまり損は無いが得だけがあるかもしれない、というのは良い政策なんだろうか。だが、人気取りというか、選挙対策で言うだけであれば、合理的なのかもしれない。どうだろう。