選挙特番について考える。
一凡人 求職中の素人視点なので、真に受けず、疑って読んでくれ。
今更?だが、第49回 衆議院議員 総選挙が終了した。結果は結果でいいとして、どこのテレビも投票締め切り直後から開票速報番組を放送するのだが、とある放送局の選挙番組では、(多少)無礼な態度をとったとして出演者が取り沙汰されている。俺は観なかったが、どうも小選挙区で落選した議員に対して奇妙?な事を言ったり、捨て台詞を吐いたりしたということだ。他の議員にも、珍妙な発言をして顰蹙を買ったとのことだ。
俺は日本と米国の選挙特番しか見たことがないから一概には言えないが、その比較に於いて1つ言えるのは、準国営放送は除いて、民放の話だが、俳優とか、コメディアンとか、司会者までもがいわゆる「タレント」によって構成されるというのは、米国では観たことがない。
著名な出演者で固めるのは同様だが、彼ら彼女らは全て普段から政治番組で論陣を張っているような人達、あるいは政治記者、選挙の専門家、注目制作について詳しい人、各選挙陣営のスペシャリスト、外交安全保障に関連して軍関係者、等ばかりだ。だから話は必然専門的になる。議会議員などは当確が出たら中継を繋いで話すのは同様だ。だが、軸にあるのは放送局の政治的姿勢であり、その主張をなるべく視聴者に伝えようとするのが趣旨となっている。だから同調できる人には観やすいかもしれないが、異論があるとそこは敬遠される。
だが落選議員に向かって毒を吐くというのは観たことがない。昔はあったのかもしれない。わからない。日本でもあまり無いと思うので、それ故今回の出来事が話題になっているのかもしれない。つまり話題作りとしては成功した。
話を戻して、日本では選挙速報放送は見方によっては「バラエティ番組」の一種として制作されている。つまり娯楽番組だ。政治番組は米国でも多少娯楽要素が強いと思うが、日本では顕著だ。これに善悪はなく、日本ではつまりそういう作りが受け容れられやすいという、需要の問題だ。真面目に制作しすぎると、他局の「娯楽調選挙番組」に視聴率で負けてしまう。事業でやっているから、スポンサーもいるし、それは不味い。という事で同様の構成で争う事になるわけだ。つまり、普段やっている、バラエティ番組同士の視聴率争いと同様の様相だ。
だから、戦い方、戦術も同様の手法になってくる。普段娯楽番組ではどう争っているか、俺は専門家でもないし大体テレビを余り観ないので分からないが、普通に考えて何か耳目を集めるような宣伝文句が必要だ。あるいは、選挙速報番組は生放送であるから、ある程度の爆弾要素が欲しい。視聴者から多少は批判されるくらいの毒を以て注目を集めて、相対的に同時間の他局の番組を下げるというのが自然だろう。
そうなると、俺がディレクター?とかプロデューサー?だったとして、以下のように考えるのは自然だ。
「うーん、普通にやっていてはダメだ。だが、生放送で内容がどうなるかわからないから、通常やっている編集によってなんとかテレビ欄に耳目を集める文言を入れられる構成にするのは無理がある。確定しているのは出演者だから、まず出演者で注目してもらおう。注目発言、話題になる質問とかをしそうなヤツを呼ぼう。」
そして、いざ放送前になると、こんな感じでその出演者に耳打ちしたい。
「君、他と同じように穏健では差がつかないし話題にならないから、少々失礼と思ってもガンガン言っちゃってくれ。相手は政治家だから攻撃しても世間からはそれほど怒られない。それに少し批判されるくらいの方が話題になる。その辺を調整して、よろしく頼む。」
実際にこのような路線でここ何年か珍妙な質問で政治家を慌てさせたり怒らせたいというのが流行っている。今後しばらくはこの路線で各局の選挙番組は制作されるだろう。どうだろうか。