RedditとSNSについて考える。
唐突だが、報道によると米国の掲示板サイト、Redditが来年早々に上場するそうだ。
唐突と書いたが、俺が知らなかっただけでどうもそのような方向だとニュースになっていたらしい。
Redditというのはネットをよく使う人なら名前くらいは聞いたことがあるかもしれないが、日本で言う◯ちゃん◯るのに類した、大掲示板サイトだ。
テーマごとに分けられ、ありとあらゆることが議論されている。流行り廃りがあったと思うが、見事にここまで生き残って、しかも上場にまで漕ぎ着けた。誰のおかげか知らないが、見事な経営手腕だ。
日本の掲示板と仕様的、機能的には似ているが、匿名よりは少し多い投稿者情報、投票機能、スレッドの木構造、写真や動画の添付、など細かい違いがある。また当然であるが英語圏で主に使われているために桁違いのユーザー数とか、各スレッドでの運用の違いもあり、日本のやつとはかなり違う文化を持っている(と思う)。俺は投稿したことはないが、たとえばLinux導入等ではマシンによってかなり緻密な情報投稿もあり、それを参考にすることもある。
所詮は皆が書き込んでコンテンツを作って行くわけだから、俺の勝手な考えであるが、圧倒的なユーザー数(、従って圧倒的なアクセス数)以外には、それ程の特筆すべき所はない。それを事業化して上場まで持っていくわけだから、繰り返すが凄いとしか言いようがない。
因みに、創業者の1人のパートナーが、超著名なテニス選手だ。
さて、このRedditには、1つの特徴として、「AMA」という催し?が時々ある。「AMA」とはAsk Me Anythingの略という事らしい。つまり著名人本人や特定の属性の人たち本人とか、ときに何の変哲もない普通の1ユーザーが降臨し、ユーザーからの様々な、時に不躾な質問に、当然時間制限があるが次々と答えていくというものだ。細かい技術情報等の他に、コンテンツとして価値があるのはこの「AMA」だ。もちろん登場者次第だが、歴代すごい人達が参加している。バラク・オバマとか、ビル・ゲイツとかだ。なかなか多くの有名人とはいかないようだが、様々な職種の人とか、歴史的な事象に関連した人とか、貴重な情報を得られるかもしれない。
だが、昨今のSNSの台頭を受けて、Redditも難しい時期に来ている。例えば上記AMAなどは著名人でTwitterを使用していて、それが本人のアカウントと証明されていれば、そこで行うのが普通だろう(本人としてもわざわざRedditでやるより、もしFollowerを増やしたいならば自分のSNSアカウント上でやるのが合理的だ)。文字でやるのも面倒だから、配信でやるのも合理的、となるとYouTuneの方が圧倒的に使い勝手が良い。実際AMAのような事をYouTubeで著名人がすでにやっている。というか今更Redditではやらないかもしれない。
しかしあまりに有名すぎてSNSをやらない人達もいるから、そういう需要はニッチとして取り込める可能性もある。AMAはいいとしても、一般情報としてもSNSの機能が洗練されるにつれ、またユーザ数が増えていくに連れてそちらに移行するかもしれない。例えばThinkPadの機器の互換性情報等の共有はSNSでも随時質疑形式をも含めて可能だ。とにかく使用法が重なっているのは確かだ。今上場して資金を得て、競争の準備をしようということなのかもしれない。
日本でも◯ちゃん◯るが長年根強い人気を維持して、一時期ほどの興盛は無いにしても充分に事業として成り立っているようだ。という事はRedditも今まで通り地味?にユーザーの情報共有に貢献できるだろう。上場して、米国市場でどのように受け止められるか、注目だ。どうだろうか。