超富裕層の定義について考える。
真に受けずに疑って読んでくれ。
突然だが、先日日本のあるテレビ番組で「超富裕層」についての言及があった。
番組の内容についてはどうでも良いが、そこでは「資産55億円以上」が超富裕層の定義で使われていた。日本には4670人いるらしい。「グローバル・ウェルス・レポート」が出典という事でネットで探してみてみた。皆さんも興味があれば探して見てみてくれ。約60ページで中々面白い。
さて、「55億円」であるが、「2020年」の調査に基づいており、50ミリオン㌦(5000万㌦)が基準になっている。テレビの55億円は1㌦=110円という計算だ。コンピューターの翻訳機能の補助を使いながら(後でわかったが、日本語訳もあった)「レポート」を読んだ感じでは、なぜ「5000万㌦」なのか、根拠は無い。ネットで検索すると「3000万㌦」が「Ultra High Net Worth Individuals(以下、”UHNW”と略)」の数値との結果が多くなっている。昨今の世界的資産膨張によって閾値が上がったのか、それとも1億ドルまでを単純に半分で分けているのか、わからない。
とにかく3000万㌦から5000万㌦に境界が上がったとすると、UHNWから漏れる?人たちが出てくることになる。この定義だと、5000万㌦以下はUHNWではなくなる。UHNWの日本語訳が「超富裕層」だとすると、日本でも33億円〜55億円までの資産額の人達は「超富裕層」ではなくその下、「富裕層」?という事になるのだろうか。そもそもそのような「層分け」は仮想的、全体からの統計でわかりやすくするためだから当の資産家にはそれほど意味はない。
いや、もしかしたら金融機関の対応が変わるとか有るのかもしれないが、俺は知らない。税金も今のところ、不動産以外の資産が幾らあっても、基本的には納税額に影響するのは実際の資産売買による売却益や配当収入や給与収入で、保有しているだけなら、その資産額自体は関係無い。「レポート」では冒頭で「5000万㌦上下で投資行動のパターンが分かれる」みたいなことが書いてあるが、はたしてそうだろうか。
間違えているかもしれないし世俗的すぎるかもしれないが、「超富裕層の定義」の1つの考え方として、物理的?にどのような暮らしができるかと考えられる。その「暮らし」の定義も人それぞれだが、とにかくどんな暮らしかという視点だ。住居(賃貸料)から簡易で考えてみよう。
超富裕層が千代田区に住む必然性はないが、日本の中心地の1つだから、例えばそこに住むとして、千代田区の家賃平均は現在月13万円位らしいから、超富裕層としてその20倍の260万円とする。20倍の根拠はないが、日本の賃貸マンション家賃の最高値は大体月500万円らしいので、高々38倍にしかならないから、まぁ妥当だろう。月260万円の家賃だと年3120万円(!)の家賃だ。ここではこの水準以上は、超富裕層よりも上の「超々富裕層」とする。
ちなみに、これ程家賃が高いと、資産家の多くは賃貸よりも買ってしまった方が合理的と考えるかもしれないが、月々の家賃、食費、等で多くの国民と同様に生活を維持するという前提で考える。
これが超富裕層にも当てはまるのか自信がないが、家賃は月収の3割が妥当とよく言われるので、3120万円の家賃とすると大体1億円が適正?年収となる。
そして日本の上場企業の平均配当利回りが2%弱らしい。大正義トヨタもそれくらいだ。税金で2割取られるとして、配当2%として、どれくらいの株を持っていればよいかというと、1億円÷(0.02×0.8)で、なんと約55億円となってしまった。費用を積み上げていく考え方でも、超富裕層の資産55億円は「それなりに」根拠があるかもしれない。どうだろうか。