国際銀行間通信協会(Society of World Interbank Financial Telecommunication、以下、「SWIFT」と略)について考える。
いきなりだが、君は「SWIFT」を知っているか?
俺は知らなかった。
今回のウクライナ有事で、ネットでアメリカのニュースの記者会見を観ていると、頻繁に「すうぃふと」「すうぃふと」と言っている。どうもウクライナ侵攻に対する経済制裁の1つらしいのだが、無知な俺は知らなかった。もしかしたら、海外送金等をする人たちには「SWIFTコード」等でお馴染みなんだろうか。
報道の翻訳によると、「SWIFT」からロシア(の銀行や関係口座)を締め出す経済制裁を目指している(侵攻開始前から可能性を模索していた)が、予想される、それによる「国際的な混乱の懸念」から反対もあり、それは常に選択肢の1つではあるが、今のところ、実行の目処は立っていないそうだ。しかし事ここに至っては、リスクもあるがその締め出しを断行するべきかもしれない、という論旨だ。他の経済制裁よりこれこそが効果があるという感じで話している人が結構いる。ウクライナの大統領以下指導者の何人かもそれを促している。
俺には、当然その是非は分からない。
だが、その「SWIFT」というのは一体何なのか?
ウィキペディアによると、1973年に欧州で作られた、銀行同士で相手側を認識するための仕組みらしい。特に国際送金、海外送金などで使用される、約200の国や地域の、約11000もの国際金融機関同士を繋ぐ「Global Messaging System (国際的情報交換方式)」という事だ。実際の資金移動はしない(別の仕組みが使用される)が、付随する資金の情報をやりとりする。1日に4000万メッセージ以上を処理する。時間がかかるとか問題もあるようだが、依然として多くの金融取引が依存しているらしい。1つのメッセージで10mbまでのデータを送ることができ、24時間対応している。
これがどのように経済制裁に働くのか?
2012年にイランに核兵器開発疑惑で同様の制裁が課された。当時、イランの原油輸出収入の半分が失われ、輸出入が30%減少したという事だ。ロシアは世界最大の石油輸出国、SWIFTから締め出されると同様の影響があるだろうという根拠だ。そして、締め出し自体は迅速に処理可能だから、制裁の効果もすぐに期待できる)らしい)。
だが、前述の通り、特に欧州のいくつかの国が「締め出し」に懸念を示しており、それもあり経済制裁の手段の1つとしては今のところ実行されていない。
ここからは俺の素人考えだが、まず、今更これをやって、ロシア軍がウクライナから引き上げるだろうか?誰が考えてもなかなか想像しにくい。良い方に考えて仮にそれで引き上げるにしても、ある程度の目的を果たしてからと考えるだろう。とにかく、最早、「直ぐには」引くに引けない状況になっている。「一線を越える」と、こうなってしまう。侵攻以前にやっても阻止できたか疑問だが、やるなら「以前」だった。でも、今からでも良いからやって欲しいと侵攻されている方が頼む程に、状況が逼迫している。
また、どれくらい効果があるか?2012年と今は違う。もしかしたら、SWIFTの制限を受けない決済方法、抜け道がすでにあるのかもしれない。暗号通貨というのは、SWIFTの影響を受けないので、こういう使い方に利用されるのかもしれない。
そして、このような手段が頻繁に話題になる程度に、他の手段が無いという事だ。手詰まり状態だ。
という事で、本日はウクライナ情勢に関連し、「SWIFT」を題材にした。どうだろうか。