とあるコンサル会社の、過酷労働環境について考える。
一凡人 求職中の素人視点なので、真に受けずに疑って読んでくれ。
今更だが、とある大手コンサル会社が違法残業で、書類送検されたらしい。報道によると、2021年1月3日から30日までにソフトウェアエンジニアに143時間の残業をさせたとか…ちょうど4週間で、143時間ということは、週5日働くとして、週35時間弱。つまり1日7時間の残業だ。通常勤務が8時間として、合わせて1日15時間労働を4週間。にわかに考えられない数字だ。1日2日ならまだしも、4週間継続すると心身の健康に悪影響が出そうだ。しかも、143時間は「少なくとも」となっており、おそらく捕捉されていない労働時間がたくさんあるだろう。
コンサルタントとは、外部から企業に助言をするプロフェッショナルだ。
しかし、このような事件を起こしてしまうと、今後労働環境の改善を助言されても、悪い冗談のように聞こえてしまうだろう。コンサル会社としては、素人の俺から見ると初歩的だが致命的な失敗だ。
しかも、件の従業員は「ソフトウエアエンジニア」であったらしい。普通に考えると、その職種だと開発作業がおもな業務になる。
どのような仕事でも激務が過ぎると、生産性が著しく落ちると思われるが、もしソフトウエア開発に従事していたならば、納品されたコードにその著しい生産性低下の影響が及んでいるはずだから、顧客の方も非常に恐ろしいのではないだろうか。そのコードは何かに置き換えられるまで、動かされ続けるのだ。しかも1人が143時間で他の従業員は被害を受けていないとしたら、1人になんらかの仕事が集中して任されていたかもしれない。するとその人が担当した部分は、その人以外は手がつけられない内容になっている可能性がおおいにある。納品コードを使用する方はそれは分からないから、もはや祈るしかない。俺がもし依頼した方だったら、その人の作ったものは破棄して新たに一から開発してもらう。いや、今後はこの会社には怖くて頼めなくなってしまう。だって他と比べてあまりに時間がかかるようでは論外だし、かといって早期完遂の見込みとかを出されると、またこれも悪い冗談になってしまう。
また、大企業というのはこういう時、「今後、従業員の労働状況の改善のため、今回の事態を真摯に受け止め、当社としましては一層改善に取り組む所存です」みたいな定型文を出して今後は気をつけますみたいな態度を見せて、有耶無耶にしようとする。
危機管理としてはうまくやり過ごして、このまま押し切るやり方として実績があるかもしれないが、このような労働環境とか企業風土とか、いきなり生じるような問題ではないから、内部からの自浄作用が働いて自己改善が起きるのは無理難題ということは、彼ら自身の視点からは自明のはずだ。なぜなら彼らはコンサルタントだから、外部からの助言で社内の問題は解決したほうが効率が良いし改善を断行できますよという「売り」の事業だからだ。他は俺たちの助言を聞く必要があるが、俺たちは自分の問題は自分で解決できると強弁するだろうか。そうだとしたら今問題の侵略独裁者のような腐臭がする。
この会社は超有名大企業でコンサル実績も圧倒的であり、ネットで調べると日本国内の大型コンサル案件には欠かせない存在になってしまっているようだが、顧客の「本当の信用」を取り戻すには、ここはやはり恥を忍んで、馬鹿高いコンサル料を払ってでも、ライバル他社のコンサルに入ってもらって、労働環境を社内でつぶさに監視してもらい、改善のための助言を受けるべきだろう。そして、それを遂行したかを確認するため、完了まで何年でもその外部コンサルに常駐してもらうべきだろう。どうだろうか。