ガソリン高騰と格差拡大について考える。
唐突…でもないが、ガソリンの値段が日米、その他で上がっている。
至る所で、様々な理由で、物価が上がっており、その代表的な指標がガソリンだ。特に米国では重要視される。日本ではガソリンの値段上昇もよくニュースになるが、同じくらいかそれ以上に、食料品の値上げ(または有名外食チェーンの値段なども)が報道される。カップラーメンとか、お菓子とか、あるいはそれらに影響する小麦等、様々な食料品が重要視される。米国に比べて日本は食料輸入への依存度が大きく、また都市部などでは車を所有していない人も多いから、まだまだ全国的には圧倒的にガソリンエンジンの車に支えられて生活している住民の多い米国でガソリンが重要視されるのは自然だ。
日本では物価高となると報道ではスーパーなどにいってロケがよくあるが、米国のニュースではガソリンスタンドで給油中の客に話を聞くのが典型的らしい。とにかくこのような事態になるとしょっちゅうガソリンの値段がニュースに出てくる。
ところで、ガソリン高騰は富裕層、ひいては超富裕層にはどのような影響があるだろうか。地域によるかもしれないので、ここは代表的市場として米国を考える。
ありがたいインターネットのお陰で、世界中どこにいても米国をはじめ各国のガソリンの値段はすぐに調べられる。米国のガソリン価格で一番よく報道ででてくるのが、AAAのサイトだ。AAAというのは米国におけるジャフのような存在だ。国際免許なども発行する。
そのAAAによると、米国は場所によってガソリンの値段が大きく違うが、レギュラーの全国平均がこの投稿現在で1㌎=4.30㌦、つまり1㍑=130円くらいだ。日本だと現在大体1㍑=170円らしい。日本は相当割高だが、カリフォルニア州平均だと1㍑=170円超だ。カリフォルニアは需給バランスの関係か、全国平均よりも相当高い。なんと日本の平均よりも高い。
米国車の燃費は車種により当然色々だが、大体、平均「25MPG(マイル/ガロン)」とすると、リッター10㌔㍍位になる。日本に比べてずいぶん悪いが、生活様式、運転様式、人気車種、理由はいろいろだ。だが直近はもっと良くなっているかもしれない。とにかくそれくらいとする。
米国人は平均年11500㍄(18400㌔㍍)運転するらしいから、富裕層、超富裕層は多め?にとって2万㍄、32000㌔㍍運転するとすると、1年3200㍑のガソリンだから、1㍑=170円として54万円だ。年32000㌔という事は、一日87㌔㍍、なかなか一日平均でこれ以上車で移動するのは難しい。なぜなら自動車が時速平均30㌔㍍で動いているとしても、移動で2時間だ。時間を大切にする富裕層は浪費に感じて、長い移動はなるべく避けるだろう。加えて、これだけの給油をするのも、自分でやる場合は特に時間の浪費だ。
とにかく、たかだか?54万円、これが元のガソリン代の倍だとしても、年換算で27万円増だ。ギリギリの生活をしている人にとっては大変な金額だが、富裕層、超富裕層にとっては端金と言っても良い。つまり仮に倍になっても無視できる値段だ。米国有名番組の司会者が「俺は環境保護のためなら1㌎15㌦でも出す」などと言ってFOXのニュースでそれが繰り返し流されて茶化され非難されているが、司会者は大金持ちだろうし、これは多分本音だと言うことだ。
これだけでは無い。
米国でも電気自動車の利用は多くなってきているが、なぜか、最近までは少なくとも、その殆どがテスラらしいのだ。つまりその他の車種は無視できるほどの数だ。ただしこれは今後激変するかもしれない。
とにかく現在は「米国で電気自動車」といえば「テスラ」だとして、オーナーはガソリン代の影響は受けないわけでは無いだろうが、ガソリン車に比べれば、少なくとも現在はこれも無視できるほど小さい。そして、テスラは誰が乗っているのか?インベストピアの記事によると、金持ちが多い。これは多くの人の推測どおりだ。なぜなら車両単価が高い。従って、富裕層、超富裕層達は、その他の集団に比べて、テスラオーナーの割合がとても高い。つまり、資産家ほど、金持ちほど、富裕層であるほど、このガソリン高騰の影響を受けにくい。
という事は、どこまで高くなるかわからないが、ガソリンの値段が高くなればなるほど、また高値が維持されるほど、格差が拡大する構造だ。どうだろうか。