現代日本の知られざる問題介護事業について考える。
唐突だが、君はネットに月、どれくらい支払っているだろうか。
電話と込みとか、ケーブル一体とか、サービスが細分化、複合化しているから一概には言えないが、まぁ安いサービスだとネットだけで大体月2500円とか3000円くらいだろう。平均はもう少し高いかもしれない。
ネットに加入していると、何ができるだろうか。当たり前のことを羅列するが、少し我慢してくれ。
まず、ニュースを逐次観る事ができる。最新情報を世界中からいつでも読んだり視聴したりできる。ネットで得られない報道情報というのは、ネット配信していない報道だけだ。例えばオンライン版の無い雑誌とか新聞とか、あるいは地上波のみのテレビとかだ。
そして、スポーツ等の生中継を観ることができる。昨今は日本中から注目されているMLB、将棋、等などだ。今後どうなるかわからないが、日本人の需要があるものは多くが無料だ。つまりネットに繋がっていれば、追加の出費なくこれらを楽しむことができる。
また、娯楽も問題無い。映画等は定額制の物が多いが廉価で非常に多くの映画が観られるし、様々な配信者からのYouTube動画もあるし、オンラインのゲームも多種多様、娯楽に困る事はそう無いだろう。
この他、書ききれないほどの活動や娯楽の種類がネットでは可能だ。例えば買い物とか、自分の文章を公開するとか、プログラミングするとか、株式投資とか、とにかく無数の利用方法がある。
安くて月2500円とか3000円払って、これだけのサービスが受けられる。
さて、この上、1日数回のニュース、ドラマ、ノンフィクションなどの各動画、そして日本人選手が出場するMLBの試合(の一部)、年6回の相撲各場所、朝から晩までの色々な教育番組、あと何があったっけ…とにかくこんな感じの追加サービスに、月2170円払う人がどれ位いるだろうか。ネットで得られる情報や娯楽に比べて、かなり割高、相当なもの好きを除いて、ほとんどの人がこの追加サービスは欲しがらないのではないだろうか。
だが、日本ではこのサービス(名前を書きたくないので、”準公共放送”、以下、「準公放」と略)に大体2世帯に1世帯が加入している。
年間の受信料収入は、大体年7000億円。この投稿現在で、衛星込みで月一世帯2170円だそうだから、7000億円÷(月2170円*12ヶ月)で、ざっくり2700万世帯、日本の世帯数の約半分がサービスに加入し、払っている事になる。
なぜこのような非合理的な加入状況なのか。
よく知られているのは、テレビを買うと受信機が内蔵されており、受信機があると受信料を支払う必要があるという状況で、人々はまだテレビを購入しているので、加入せざるをえないという理屈だ。だが、上記の通り、例えテレビが必要という事情があるにしても、いわゆるコスパがこれだけ悪ければ、殆どの人が避けそうなものだが、そうなっていない。なぜだろうか。
理由は色々あるだろうが、1つは老人に支持されているというのがある。俺はあまり周囲に老人は居ないが、たまに会う知っている老人は、多くが朝から晩までこの放送局を好んで観ている。あるいは、何も見るべきものが無い時、この局を観るのが標準となっている。これは統計でも明らかで、「年齢別 視聴率」などと検索すればいくつもデータが出てくる。
2700万世帯から、多めに見積もって4分の3が60歳以上が世帯主としても、残り4分の1はあまり必要がない(しかしテレビを所有しているため払っている)という人も多いだろう。つまり、7000億円のうち、1500億円とか2000億円とか、そのくらいの金額が、60歳以上の老人の「準公放」放送局嗜好を支えていると言っても良い。つまり、これは若い人達が老人世代のテレビ視聴を支える、介護事業だ。しかし、上記の通りネットがあれば同様の視聴が可能だから、このような無駄な介護事業は即座に辞めて、その半分でも他の介護にお金を使ったほうが有効だろう。どうだろうか。