ウクライナ大統領の国会演説について考える。
一凡人 求職中の素人視点、素人の持論なので、真に受けずに疑って読んでくれ。
今更だが、ウクライナ大統領の国会での演説が実施された。内容については、俺は全文読んだりしていない。ネットでは予想が色々あったが、大方思った通りの当たり障りのない内容だったらしい。
でも、怒られるかもしれないが、内容はどうでも良いのだ。肝心なのは、日本の国会で演説をやったという事だ。今後情勢がどうなるかわからないが、後年歴史や国際関係で重要視されるのは演説の有無で、内容がどうとかではない。時間が経てば内容は皆忘れているだろう。衝撃的な内容でなければ、演説内容は「どうか協力をよろしく」と言う事でそれは分かっている。だが、やったかやらないかはゼロかイチではっきり差が出る。こういうわかりやすい差が人々に浸透する。
国会議員や一部著名人?の中には「演説させるなんてとんでもない」という「いつもの寝言」を言っている人達がいた(らしい)。バカバカしくてあまり主張を見ていないが、要は日本は中立の立場を維持せよという事らしい。これがなぜ論外かというと、是非は別にして、日本国はすでに立場を明確にしている。今更中立と言ったって、誰に対しても積極的な主張にならない。「何だあいつは、一体どういう立場で、どちら側なのか、ハッキリしないな」と言われる。ハッキリさせないなら、「完全中立」を徹底させないと全方位に対し国益を損なうだけだ。
そして、「完全中立」を徹底すると言ったって、今回の立場を明確にする前であっても、それは現状無理な話だ。安全保障政策で、これも是非は別だが、日本は米国一国に依存している。物理的に国内に基地まであってそこには武力行使前提の部隊がいる。それなのに「俺達は誰の味方もしない、中立なんだ」と言ったって他から見たら茶番だ。しかも米国からも異様に見えるだろう。という事は基地をおいている日本国にとって損ばかり、非合理的だ。
例えば今回ベラルーシはロシア陣営として報道されているが、ロシア軍が駐留して補給にも協力して大部隊も通過させて、その上仮に「俺たちはどっちにもついていない、中立だ」とご強弁しても西側が聞く耳を持たないのと、全く同じじゃないかもしれないが、様相は似ているところもある。大きく違うのだが、国際関係と言っても究極人間関係だから、大まかな判断・印象が影響する。「いや、実情はこうこうで、違うんです」というのは日本人はやりがちであるが、善悪は別として一般的には言い訳がましくなるだけで、説得力はない。
しかも現状は西側諸国は自国の部隊を送っておらず、各国の協力は間接的・側面的であるから、いつも紛争などで大問題となる日本からの「自衛隊」や「平和部隊」の派遣で悩む必要はない。国会の演説だけで立場をハッキリさせられるのは、こう言っては何だが、費用がほとんどかからないし、憲法にも抵触しない、コスパの良い政治判断だったと思う。そんなに難しい判断でもない。他の選択肢は無かった。
もちろん何事も長短ある。今回で言えば、ロシア大統領は演説させた事に「激怒」したと報道されている。独裁者に目をつけられるとたしかに怖いといえば怖い。実際海上部隊等が津軽海峡を威嚇的に通過したりしている。今後は軍用機等も挑発的飛行をしてくるかもしれない。俺は外交安全保証専門家でないからどれくらい危険度が高まったのかわからないが、このリスクと上記のはっきりとした立場を示すことで得られるリターンの比較は当然政治判断となる。しかし、報道によるとロシア国民でさえ異論反論があるようだから、それだけに基づいても、ましてや今までの経緯や安保政策や友好関係等何を見てもどちらにつくべきかは明白、「西側にハッキリとつく態度を示す」以外のいかなる行動も非合理的な判断に見える。
という事で、殆どの人から見て演説は是、日本国の立場も完全西側とハッキリさせる路線しかない。他の道は無い。どうだろうか。