時機として、最近いわゆる日本の動画投稿者の収入低下が話題となっているので、「動画投稿業」について考える。大陸系等新興勢力もドンドン出てくるプラットフォームビジネスは別の機会があれば考える。本日は「(日本の)投稿者」の立場の推考だ。
結論を先に書くと、動画投稿は「動画作成が何より好きな人」だけがやるのが良く、富裕層/超富裕層/資産家には向かない。
資産形成には非効率的
まず、資産家の目標達成にほとんど貢献しない。
投資家、富裕層/資産家、超富裕層、と成り上がる?先の「目標」はなんだろうか。大雑把には「良い投資先を見つけて投資、資産額を増やしてゆく」事だ。その先に「よりより世界を目指す」とか「社会問題の解決に貢献する」とかもっと崇高?な目標もあるかもしれないが、とりあえず「資産増加につながる良い投資」が目標なのはそんなに異論ないだろう。
そのための動画投稿の効率はどうか?
「稼ぎの良い」投稿者は沢山いるが、大資産を成す「確率や効率」で言うと合理的とは言えない。未だ「動画投稿から財を成した資産家」は(俺は)見たことがない。
今後「動画投稿業での超富裕層」が出現するかもしれないが、少なくとも現段階では、実績のある「株式投資」や「起業」の方が、「潜在的成功の程度」×「成功確率」が桁外れに大きくなる可能性が比較にならない程高いと思う。
資産形成効率に動画作成で邪魔されないためには、単純に動画を作成投稿しなければ良い。
投稿業の競争激化
既出で些末だが、動画投稿業自体が厳しい商売だ。収入が激減している投稿者報道というのも兆候か。
参入障壁が無い、市場は基本日本語圏のみ、それに付随して縮小する広告市場、内容も似通ってくるから見る方も飽きてくる。ラジオみたいな流動コンテンツや懐古映像等以外は、「衝撃的」その真逆の「意外スキマ」を継続するのが難しい。「咀嚼音」 みたいなスキマ分野も有限だ。仮に新分野が無限にあるにしても、投稿者レベルでそれを発掘発見し続けるのは不可能だ。
話が逸れるが、これは逆に言えば「多数の人から少しずつ色々な動画を集約」できるプラットフォーム(基盤)全体として長所だ。ありとあらゆる動画が作成され鑑賞できるサイトの出発点になれる。だから全体としては魅力だが、いち作成者の視点だとその限られた資源では収益もアクセスも全体の「極々一部」にしかならない。「資産形成」ならば、株を買って「基盤側」に参加した方が良い。
話を戻して、投稿者同士の「厳しい競争」を避けるには、単純に動画を作成投稿しなければ良い。
資産家としての時間効率
また、時間効率にも問題がある。
情報発信、自分の思考整理、社会貢献、もちろん広告収入等も目指し、気軽にドンドン動画投稿できれば良いが、現実は「一部の天才」を除き「観られる動画」を作成するには多大な時間と労力がかかる。
俺も以前記録映像としていくつか作成投稿したが、余りに大変で報酬をもらってももうやりたくない。巷の情報?では1時間の動画作成に何日もかかるのも普通の様だ。スタッフや機材の費用も馬鹿にならないし広告収入も大成功したとしても青天井では無い。
才能と行動力のある作成者は、「莫大な予算を使って超娯楽的動画を作って何百万人にも見てもらい、その再生数で大儲けも出来る」と言うかもしれないが、それは実質的に映画製作で既に大手がやっているから、もしそれで大儲けというなら映画会社の株を買えば良い筈だ。
資産形成目標ならば、投資の調査分析か、値動きを眺めているか、そうでなければ家族や動物や友人と戯れている方が、あるいは面白動画を作るんでなく「観て楽しむ」方が、時間の使い方としては優れている。
「投資活動とか調査分析の過程とか、それ自体を動画にすれば良い」と言うかもしれないが、動画化には必ずそれなりの手間が掛かる。しかも耳目を集めるにはそれを頻繁にやる。効率が良いとは思えない。面倒が多く数日で更新停止が関の山だ。
時間浪費を避けるには、単純に動画を作成投稿しなければ良い。
動画余波による面倒管理
そして、望まない結果をもたらす危険もある。悪質/悪ふざけ動画は問題外としても、言いがかりをつけられたり、変に訴えられたりして、その対応に追われるとなれば時間を浪費することになる。
最近は違法行為まで行かなくも、所謂「調子に乗った内容」で結局謝罪に追い込まれたり投稿を自粛したりする事も多い。先日も動画で「ワンオペお食事処」を侮辱したとして謝罪自粛した団体がいた。お叱りを受けるかもしれないが、俺からすると実にバカげている。この滑稽茶番に一切関わりたくない。
最初から覚悟を決めて「何を言われても俺の路線を押し通す」方針でやるならまだしも、資産形成前提でなにか言われたらすぐ日和る様では結局非効率だ。
これは投資家の俺の考えだが「投資家は少なくとも建前上、”信念”とかは無く、唯一の”正義”は投資の成功」だ。投稿余波による「面倒」に見合った見返りがあれば別だが、そうでなければ極力避けるのが資産家の嗜みだ。
上記各「面倒リスク」を避けるには、最初から投稿しなければ良い。
では、一体誰が動画投稿するのか?
上記いろいろクダを巻いて偉そうに述べた。不愉快な思いをさせたら申し訳ない。
でも動画投稿が意味が無いとか、有害だとか、誰もやるなとか、もちろんそういう主張ではない。
動画作成投稿は究極「その創作作業が楽しい人」「作成投稿にやり甲斐を見出す人」がやる。よう○べとか、イ○スタとか、ティ○○トクとか、そういう人のための基盤だ。
動画創作が楽しい人達にとってそういう基盤は無くてはならないもので、創作活動は人間らしい生き方に繋がるし、基盤側としては商売にもできれば、お互い利益のある素晴らしいシステムでもある。だた、シツコイが「少なくとも資産形成には直接得がない(と思う)」。
超富裕層と動画
改めて超富裕層と動画について考えると、まずバフェットやゲイツがこれから投資活動の一環として動画投稿はしなそうだ。
資産額のもっと低い「準富裕層」でも直接の資産形成目的で動画作成をしている人は少ない(と思う)。
ちなみに「観る」方はマスクとかみてもやっているので超富裕層でも効率の良い情報入手の一環として有効だろうと思われる。
俺も暇人だしサブスク動画もふくめて所謂ネット動画視聴時間は長い方だ。でも、繰り返すが作成投稿はボランティア以外ではほぼしないだろう。どうだろうか。