(ソロ)キャンプについて考える。
今更であるが、日本ではここ最近、キャンプが流行っているようだ。愛好家達がネット配信等を通して認知度が広がった。
俺も人並み?にキャンプをしたことがある。ソロキャンプは未経験だが、所謂「森の中」や「自然環境」内の適度に整備されて他の来訪者も多くいる場所で、複数人のグループで経験した。良い様に取れば人生経験、修行の一環として捉える事もできるが、毎回、俺は何も面白くなかった。いつも早く帰りたかった。
とはいえ、キャンプ好きがこれだけいるし、キャンプなんかそもそも馬鹿らしいとか、日本人特有のニワカ現象だとか、その辺の山でやっても大して意味がないとか、は(仮に)本心で思っていても口を滑らさないように注意している。
自称キャンパー自然愛好家ww孤独を楽しもうとか寝言をいっているモノズキ達でも、後片付けしてゴミを持ち帰るとか、火に注意するとか、聞かれもしないキャンプ自慢を極力避けるとか、規則を守って周辺に迷惑をかけない限りは勝手にやれば良いと思う。
ところで、先日、独りでキャンプしていたらしい人に、見知らぬ人が現れ交流しようとしてきて恐ろしい思いをしたという事件?があった。
確かにソロキャンプ決行中に、どこからともなく他人が現れたら、誰であろうと身の毛もよだつ恐怖だ。
だがよく考えてみると、別にキャンプ中でなくても、見知らぬ人が急に現れるというのはいつでもどこでも恐怖だし、それだけで危険な状況になる可能性がある。
周囲に人がいない場合だけでなく、疎らに人が居たとしても、死角からいきなり人が現れたら、誰でも肝を冷やす。だからこそ、普通の人はなるべく「人気の無い場所」を避ける。「人気の無い場所」に滞在したり、通過するだけでも危険があるからだ。当然の危機管理だ。
普段そんな感じで夜道などで注意しているはずの現代人なのに、「ソロキャンプもどき」だけはそれほど危機感が無いとしたら、これは奇妙だ。
キャンパーニワカに言わせれば、キャンプするような環境で必然「人が少ない」から暗い道に比べて安全と思っているのかもしれないが、何を根拠にそう思い込むのか。
事実、今回は報道されている通りとすれば、それほど人がいないはずの場所でオッサンが急に現れたのだ。「死角からの不審人物」はキャンプ地でも充分に有り得るという事だ。
しかも、相手に悪意があった場合の危害度が著しく高い。なぜなら叫び声が届くような範囲に善意の第三者がいる期待度は低く、ましてや警察の助けもほぼ期待できない。
仮に変質者がテント周囲に居る確率が住宅街の夜道の100分の1であっても、もし遭遇した場合の考えられる危害度が市街地の100倍であれば、同等のリスクだ。ソロキャンプでは周囲からの助けは住宅地などに比べて絶望的であるから、危害度100倍も合理性がないとは断言できない。
その上、キャンプではそこへ何時間、ヘタすると何日も滞在するわけだから、余計にリスクがあるかもしれない。
したがって、実際の遭遇確率とその危害度はどれくらいか分からないが、孤独にキャンプする場合はこのような危機管理が必要だ。武装するとか、独りでは行かないとか、あるいは少なくとも(夏の北海道でヒグマや野犬に遭遇するかもしれないと覚悟するのと同様に)危機をある程度承知でキャンプを決行する必要がある。
大切なのは少なくともリスクを理解して行動することだ。そして普通にリスクを考えたら、ソロキャンプモドキはとても割に合わない娯楽かもしれない。どうせやるなら遭遇の確率が桁外れに低い真の大自然、「無人島」とか、「舗装した道路から徒歩で何日もかかるような山中」とか、極地とか、がマシだが、それはそれで遭難や野生動物のリスクが上がる。
件の事件では「ニワカキャンパー」は悪くなくて、「近づいてくる不審者」が悪いのはそうなのだが、だからといって無承知無防備で独りで山の中を彷徨ったり滞在するのは無謀にもほどがあると思う。どうだろうか。
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