大谷の通訳の件を、超富裕層になったつもりで、考える。
寝耳に水というか、驚愕の報道が続いている。MLB大谷の通訳の「違法賭博」の件だ。
実力は証明済み、寄付活動、犬、結婚、その他やることなすこと全て、加えて通訳を含めた「周囲の人間の印象」まで好意的にしてしまう大谷に「この男にいつかネガティブな要素が加わる事があるのだろうか」と考えていた訳では無いが、こう来るとは誰も予想していなかった。
依然不明な点も多く、今後捜査がどうなるかわからないし、詳細や今後の是非については特に意見は無い。
しかし最初の印象の内に、この「大事件?(以後、”本件”と略)」から「超富裕層(になったつもり)の視点」で何を学べるか、一部報道を事実として、考えてみる。
大谷は言わずと知れた、「超々富裕層」だ。つまり「超富裕層の身近な人間」の過ち?として、学べる事はあるか。
第一に言えるのは、「人間を信用する度合いが大きい程、またそれ故に経済的な関与が大きい程、危険度も高くなる」という真実だ。
大谷がいつ「通訳の賭博依存症」を認識したか知らないが、解雇に至るまで常に一緒に行動していた。依然として大きな信用を置いていた証拠で、それ故の親密さから(真実は分からないが)何かしら大谷が関与した可能性があり、大きな影響と余波が及んでしまっている。
仮に公私完全に切り離して、純粋に「通訳」としてのみの交流であれば、これ程自身が「関連付けられる」事は無かった。だが、本当か知らないが「大谷が博打の負け分を負担した」と言われると、親密さ故に「大谷と水原の仲ならそれも充分あり得る」と思われてしまう。
「人を信用する」というのは一見聞こえが良いが、この様な危険度がある。
世間一般の「超々富裕層」が軽々に「他人の誠意」に重きを置かず、また自己の売り込み文句等も信用せず、雇うなら「実務的関係」だけを築いてそれに徹し、しかもあらゆる取引が「細かい契約の同意」に基づくのが「原則」なのは、身を守るために合理的だ。
しかも今回の場合は、通訳本人も悪気は無かった(知らなかった)のかもしれない。つまり相手が反社とか悪意があるとかでも無く、報道など見る限り「普通の良識ある人間、なんなら善人」に見える人だった。依存症は悪人だけがなるわけでなく、結局、その人の属性、善良さ、関係無いのだ。
第二に、どのような場合でも、「金銭のやり取り」というのは、人間関係上も、また今回取り沙汰されている法律上も、あらゆる面倒の根源、原因に成りうるという事実だ。受け取る方も、与える方も、双方危険が伴う。そして、その額が大きくなると、危険度も比例して増大する。
本件でも、大谷が知ってて送金したのか、知らぬ間に口座から盗まれたのか、とにかくお金が大谷からどこかへ金が動いたらしい。もし「金のやり取り」が無かったら、いくら親密であったとしても「博打依存に嵌った通訳が馘首された」で済んでいた可能性もある。
世界の大金持ちが、著名な「慈善団体」「研究機関」「教育機関」に多額の寄付をする、あるいは自分の慈善団体を作ってしまうというのは、この理由で合理的だ。
こういう組織は歴史も長く、統治管理体制も確立しているため、「ハーバード大学」や「赤十字」が組織的に「反社とパーティ」したり「違法賭博関係者と取引」したりしない。もちろん不祥事はあるだろうが、相対的に安心なお金の動かし先(寄付先)といえる。
対して、親しいだけの友人・個人、慈善団体であっても過度に政治的、宗教的、そうでなくても歴史実績が浅い、という場合は避けるのが無難だ。何だか相手は良く分からないけど善意で払ったりすると、問題視される可能性がある。
本件でも後の祭りであるが、大谷は「賭博依存症」を認識した時点で、通訳に然るべき「依存症克服支援施設」を紹介し、お金をかけるにしても「依存症補助・支援」をするような大きな団体に寄付する程度の「関与」にしておくべきだったのかもしれない。わからない。
第三に、上記指摘は当然、これから成り上がっていったり、起業して大成功したり、芸能スポーツでスーパースターになるような人達が、そうなる以前には感じが掴めない。
だから、出来れば成功途上のある時点?で「法律専門家」「税務専門家」その他を(出来れば)自分で見つけて、「実務的”自分経営”補助」してもらうのが重要だ。
低俗(自称)投資家の俺には、そのためにどういう道があるか分からないが、少なくとも「親に任せる」とか、「近寄ってきた人の善意に頼る」とか、いわゆる「成り行き任せ」は本件のように失敗の危険度が高い。また失敗した場合の損害も桁外れに大きい。
という事で、「超富裕層」「超々富裕層」で今後は少し位周囲に金をばらまいても「自分の生活は安泰」だから適当に自由にやろう、等と「脇を甘くする」のは大変危険だ。どうだろうか。