リニア外伝(2)JR東海の失敗

2024-04-06 投稿

投資

リニア中央新幹線(以下、[リニア」と略)について考える。

一凡人 求職中の素人視点なので、真に受けずに疑って読んでくれ。


どうでもいいが、K静岡県知事(以下、「K」と略)の辞意騒動の報道が収まってきた気がする。台湾の地震と政治資金問題の続報にかき消されている感じだ。

また、こういう時?は必ず目立ちたがりやの逆張り屋がしゃしゃり出てくる。曰く「27年開業を断念させたからKは勝った」のだとか、「そもそもリニアは無用の長物だからKの邪魔は正しかった」、等々の意見である。

先日も述べたが、仮に本当に自然破壊問題、水資源問題がまだ未解決であれば、開業を数年延期させたところで同じ状態なので、Kの勝利?とはとてもいえない。

また無用の長物?かどうかは分かりようがない。そもそも立場によって有用性は変化するので一概には言えない。東海道新幹線でもさまざまな反対があったが、今日東海道新幹線を「無用の長物」という人はほとんど居ない。

確かに名古屋まで100分が45分になるのに払う対価として合理的か、工事や運用の危険なども含め、どうなるかわからない。しかし少なくとも今「無用の長物」と断定できない。

それはいいとして、現段階までのJR東海(以下、「JRC(Japan Railway Central)」と略)の表面的な失敗は、何と言っても開業延期による機会損失、費用増大だ。Kはこの点に於いて、成果?を残した。すなわち、JRCに大きな経済的損失を与えた。

Kの県知事就任はルートの決定後である。静岡を通らざるを得ないがとても駅は作れない場所だ。前知事がどういう意見だったか知らないが、誰が知事でも多少の駄々をこねるのは予想される。

インフラ起業にとってはこの種の「首長リスク」はそれなりに計算していただろうが、それが甘かった事により、JRCは莫大な授業料を払うことになってしまった。今となっては何らかの形で、例えば千億円程度で話がついたならば、安い費用であったことになる。その2倍掛かってもまだ安かったかもしれない。あるいは、技術的に可能なのか知らないが、仮に超難航工事であっても、多少ルートを北にズラして静岡県を「迂回」する経路にした方が、費用増大 対 開業時期延期で比較しても、経済的に良かったのかもしれない。

こういうのは言っても詮無いが、今後の教訓になる可能性がある。というのは大阪までには幾つもの府県を通過する。駅ができる知事は反対しないだろうと思われているが、もし革新系が当選したらどうなるか未知数だ。

あるいは、駅が無い府県を少しでも通る可能性があるならば、同じ様な危険性を取るのか、迂回してでもそれを避けるのか、今度こそ慎重な戦略が問われる。

また、低俗な考えかもしれないが、静岡を見て「これは駄々をこねると金を引き出せるかもしれない」と考える知事が出てくる可能性は否定できない。知事でなくても、政令指定都市とか、市町村でさえも、何らかの理由を付けて立ちはだかる可能性をも最早軽視できない。今回分かったように100mでも工事できないと、全体に莫大な費用がかかる。

こう考えると、心配山積、果たしてここまで面倒を抱えてまでやり通さなくてはいけないほどの価値があるのか?と株主が疑問に思うのも自然だ。だがここまで進んでいるし、それなりに期待もされているし、もはや反対も非現実的で経営的にも危険だ。

逆に言うと、こういうインフラ企業の株主にとっては、巨大プロジェクト投資前には慎重すぎるほどの計画の精査が必要だという事だ。また、業績が良さそうだとか配当がどうだとか言って、気軽にJR何々とか何とか電力とかなんちゃら道路とかに投資するのも考えものだと言える。なぜなら、本件の様に「1人の首長の気まぐれ」で会社の存続が危ぶまれる可能性があるからだ。

逆の逆を考えると、そのような「巨大で難航する歴史的」なプロジェクトに挑むのは商売開拓の強い意思とも取れるし、危険度も高いからこそ見返りも大きいと考えられるから、東京ー名古屋ー大阪の移動需要が今後急増するとも考えづらいとしても、裾野産業の育成やリニア輸出まで考えた「高成長」を見込んだ投資先としてはあり得るとも言える。どうだろうか。

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