詐欺広告について考える。
今更であるが、どうも最近SNSで、有名人の画像や映像を悪用した「インチキ広告」で人から金を騙し取る、という「詐欺犯罪」が横行しているらしい。
間違えていたら申し訳ないが、俺の観たり読んだりした限りだと、タイムラインにあたかも「著名人が推薦しているかのようなモノやサービスの広告投稿」が出て、それに釣られてしまうと、インチキ商品の支払いをさせられたり、個人情報を盗まれたり、といった昔からあるネットを使った犯罪で被害を受ける構造の様である。
そして、それが特にMETAのSNSで目立ち、当事者が抗議してもほぼ「ナシの礫」状態であることから、詐欺広告に自身を無断使用されいる著名人等が自身のSNSで迷惑や被害を訴えている、という状況と思われる。
だが、程度の違いはあるが、アルファベットでも、アマゾンでも、X(旧ツイッター)でも、どの会社でも、「広告事業」をしていればその中での「詐欺広告(英語で「Scam Ads」というらしい)」はゼロでは無いだろう。つまり、援護する訳では無いが、META特有の問題とは言えない。
また、当たり前だが「著名人を使っていない」普通?の詐欺広告が多数あるので、著名人の迷惑の問題ではなく、根本は詐欺広告全般とその被害者である。
SNS以外でも「Eメール」は詐欺広告メッセージが依然多いし、普通の「Webページ広告」でも変なのはあるだろうし、スマホでもテキストメッセージでも変な広告は来るかもしれないし、オレオレ詐欺等は広告とは少し違うが「電話経由」の詐欺だし、郵便でさえも怪しい不動産とかの「インチキ広告」は来る。
つまりSNSは現在万人によく使われているため犯罪が目立つだけで、ありとあらゆる「通信サービス」では「詐欺広告」がついて回る。
広告事業主側の視点ではどうだろうか。
「詐欺広告」が多ければ多いほど、「まともな広告主」はそこを使い難い圧力がかかし、事業基盤の利用者はそこを避ける圧力もかかるから、事業者方も「詐欺度」にある程度は比例して、事業に支障がでるはずだ。
だが広告事業をやっている巨大IT各社の部門業績は絶好調であるから、是非は別として現段階では少なくとも「重い腰を上げる」程の深刻な状況とは判断して無いのかもしれない。
言い換えると、その「正否」「是非」等々は別として「詐欺広告の害悪額」より「それも含めた広告事業からの収益額」が多いと見ている可能性がある。平たく言えば「いい感じで儲かっている間はこの問題より他の問題に注力しよう」といった感じである。
そもそも、身も蓋も無いが、仮に「100%良い広告だけを選出して出稿」出来れば、業績伸長に繋がるから「詐欺広告をブロックしたい」のはヤマヤマな筈である。そうならないのは、それが出来ない、あるいは非常に難しいからであろう。
しかも、素人の俺は無責任だから、怒られてしまうかもしれないが、「大体、詐欺広告と、そうでない広告と、効率良く見分ける方法があるのか?」と正直思ってしまう。
もちろん、自分で一度でも騙されれば怒りは収まらないであろう。あるいは、俺だって気が付かないだけで、もしかしたら多少の被害が(既に)あるのかもしれない。
しかも、例えば「怪しい仮想通貨」の宣伝で、有名なタレントや野球選手が広告に出ていた。つまり詐欺商品でも出演者は承知している、広告自体は本物?の事もあるのだ。こうなると余計にややこしい。
とにかく、「この広告は詐欺なのか?」という判断は(無断で映像を使用されている本人は除いて)、人力でもAIでも、少なくとも現段階では簡単では無いというのが事実だ。最近アルファベット傘下のサービスで何十億もの不適切投稿・広告を削除したというが、どんどん入ってくるだろうから、入口で弾けないと単なるイタチゴッコとなる。加えて「後で削除」では削除するまでに被害が大きくなる危険もある。
つまり広告事業主側としては、今の所は少なくとも「良い解決策がない」から、苦情を聞いて対応するフリ?をして、今は儲かっているから時間を稼ぐのが合理的となる。
では、株主としてはどうだろうか。
怒られるかもしれないし、これが倫理的に正しいのか怪しいが、前述の通り「事業収益のプラスと詐欺のマイナスの得失」でプラスが非常に大きければ、それ程問題視しない、もっというと「見て見ぬふり」なのではなかろうか。
実際、上記巨大IT各社の株主総会で、「広告詐欺」が重要議案だった事は俺が知る限りでは無い。
確かに、被害を受けた人達、迷惑を被った人々、にとっては受け入れられないが、現状を見ると事業者と株主の多数派はそのような考えであると推定する。どうだろうか。