陰謀について考える。
「超富裕層と多国籍企業が影で世界を支配している。」
世の中の森羅万象、陰謀を疑うのは定番だ。覇権国家や近隣の外国勢力等、支配側としてそれらと一体で超富裕層、果ては身の回りまで対象になりうる。
車の燃費が悪いのは石油メジャーの陰謀かもしれないし、もしかしたら君の車のガソリンタンクから夜にガソリンを抜いている、隣人の陰謀なのかもしれない。
宇宙人は実際に何度も地球に来訪しており、主な指導者達と、何も知らない一般人への支配を強化するために手を組んでいるが、それを隠蔽しているのは秩序が乱れるのを恐れている国際金融機関の陰謀かもしれない。
テスト前にクラスメートが勉強していないと強調してくるのは、君を油断させて相対的に自分の成績を上げる陰謀だ。もしくは、本当に勉強していない可能性もあるといえば、ある。
内野安打で出塁した打者に、投手が牽制球を投げて、一塁手が投手に返球すると見せかけて隠し持ったまま、自分の守備位置からその走者が一塁に戻る前に「触球(タッチとも言う)」出来る程に走者が一塁から離れるのを待つ(隠し玉とも言う)のは、陰謀だろうか。難しいところだ。
国際関係だと陰謀はあたりまえだ。国益は多国間で反する事が多いから、自国の国益行動も敵国からしたら陰謀になる可能性がある。自国の利益が他国の損害になり得るとき、その他国に隠し事はダメだからと言ってわざわざ事前に知らせる国は無いだろう。
陰謀の定義は難しい。隠れた謀(はかりごと)という事でいえば、世の中は大小の陰謀に満ちている。
超富裕層には陰謀があるのだろうか?
あるいは、超富裕層達は、その他の人達が想像もできないような、何か悪い謀を企んているのか?
陰謀は何も金持ちとか政治家とかの特権ではない。つまり誰でも、どのような組織でも、陰謀がありうる。しかし、超富裕層が自分達だけ良い目を見ようと画策とか、そういうのはあるのか?
合法的であれば、当然あるかもしれない。でも、合法的というのはそのやり方が認められているわけで、公然と非難の対象になるような陰謀にならないような気もする。例えば、累進課税低減や法人減税など一見資産家優遇的な政党を支持、その政策実現のため隠れて献金して表では反対のフリというのは、陰謀的だが、強制的に阻止できないし、そもそも謀だろうか?自分の損得を重視するならば、合理的な行動かもしれない。
非合法は凶悪陰謀だ。超々々富裕層位だとあるかもしれないし、やれるならやるかもしれない。わからない。非合法だから、一応お上は発覚して証拠があれば、取り締る事ができる。政府が隠れてそういう悪事を大目に見たりしてたら、それは大陰謀だ。しかしこれは陰謀というより単なる犯罪だ。例えば、以前あった事例だが、大企業が有害物質を川に流していて、その影響で下流の住民が川魚の摂取により健康被害が出た。その際、その企業はどうも隠蔽工作をして、表では原因は俺達ではないと強弁したらしい。酷い陰謀だ。陰謀というか犯罪だ。こういうのも含めて、犯罪行為捜査査の専門家に任せるべきだ。でも超富裕層がこんな危ない方法を取るだろうか?
まとめると、
世の中は陰謀だらけ。
合法なら、仮に陰謀であっても、阻止するべきではない。
非合法の物は、犯罪だ。専門家に任せる。
それ以外のあやふやな物は、気にしても時間の無駄だ。
もっと短くすると、
俺含めほとんどの人は、陰謀に気を取られるより、もっと有意義に他に時間を使ったほうが良い。どうだろうか。