不動産と複利と利回りについて考える。何の専門家でも無い、凡人 (求職中) の素人視点なので、真に受けないで、疑って読んでくれ。
「利回り〜%」
不動産投資で必ず用いられる文言だ。賃貸収入から返済支出等を差し引いた収益が、取得原価に対しどれ位の割合かをいう(と思う)。
物件によっては、10%超、中には20、30という運用を成し遂げている猛者もいる。株式だと、配当収入目当ての銘柄でも10%に行くものは少ない。つまり、相対的に不動産投資が割が良いとも考えられる。本日は不動産に於ける利回りを長期投資の視点で題材とする。
結論を先に言うと、不動産は利回りは良いかもしれないが、その性質上、複利を恩恵を享受しにくい。即ち、株式と比較し自己資金による資産成長には相対的に向いていない。
不動産といえば物件を次々に取得して資産額を大きくしていく成功者の情報がネットに溢れており、資産成長の代名詞に思える。だが、殆どの不動産投資家はどうも借金で資産成長している。借金して何か買えば資産が増えるのは当たり前だ。一方、株式投資家は信用取引等で借金で株を買っていなければ、自己資金で買った株価の上昇と自己資金による所有株の増加により、資産成長している。不動産が株より借金しやすいのは自明だ。そして売買は手間がかかる。
つまりこう考えられる。
不動産は追加投資には大きい資金が必要で、資産成長は借金拡大が前提だ。
株式は買える範囲で追加することができる。
従って、借金の危険性が大きいと考えれば、株式投資が合理的だ。
あたりまえの事であるが、重要だ。なぜなら、買える範囲で容易に追加できる資産のほうが、複利の恩恵を受けやすい。言い換えると、不動産は、株式に比べて複利の恩恵を受けにくい。だから広告の文句は「利回り」なのだろうか。
株式も配当が無いと再投資できないと感じるかもしれないが、会社内部で利益が出れば、再投資される。それが成功すれば好業績、つまり株価の上昇になるので、継続されれば複利の原理となる。もちろん配当も自分で再投資が容易だ。不動産で配当にあたるのは家賃収入だが、家賃収入で同じ物件に再投資はむずかしい。かといって物件追加も必要額が大きくて難しい(借金が必要)。中々複利にたどり着かない。利回りが精々の期間が長い。
不動産は株式と違い土地もあるしゼロにはならないから安全とも言われる。確かにそういう一面はある。しかし資産成長型不動産投資では借金が前提だから、土地があるからと言って天変地異や賃貸需要の激減に対し安全とは言えない。自己資金株ならばゼロになっても借金が無いから諦めるだけで面倒は無い。
以前、不動産投資について投稿した。
様々な突然だが、俺は「直接不動産投資」の経験がある。自分が住む家を買ったり売ったりも立派な「不動産投資」だが、一歩進んで「賃貸」をやったことがある。偉そうだが、その経験から、また、不動産管理とか金融の専門では無い超富裕層を目指す一個人の考えとして、読んでほしい。結論からいうと、面倒な管理を厭わない、不動産が好きな投資家のみ、不動産は良い直接投資先になりうる。投資というのは、その投資先に興味がないと成功しないと思うが、特に不動産に関しては、例えば一日中間取り図を見たり、建物の調査をしたり、常に色んな不動産を見て回ったり、関連法律の勉強やDIY修理をやっても苦にならない位不動産好きの人で無いと大きいストレスになる可能性がある。
要旨は不動産好きのみが資産成長型の不動産投資に向いているという事だった。
今回のまとめとしては、それに加えて「複利の恩恵が必要無い」「金を合理的利率で安定して借りられる」という条件が加わるかもしれない。どうだろうか。