凡人 (求職中) の素人視点なので、また、筆者はテスラ株を所有しているので、それも考慮して、真に受けず、疑って読んでくれ。
唐突だが、テスラ・モーターズの創業者であるイーロン・マスクが、富裕税に関連し、自分の株を売るか売らないかネットで取り沙汰されて、またSNSで是非を問いかけていて、話題になっている。俺も詳しく知らないが、どうも資産課税されると株を売った売却金で納税することになるので、本当かどうか、本心かどうか不明だが、公言している範囲では、「その影響を考える」ためらしい。もちろん、その他の考えもあるだろう。当然、色々な方面の影響を考えて、しっかりと算盤を弾いている。そしてそれは悪いことではない。
ところで、彼はこれまでも経営者以外の面で様々世間を騒がせてきたので、「マスクらしい」といえばそうだが、ほんの少しの株数であっても、その株式所有者としては、経営にもっと集中してほしいと思ってしまう。経営以外で話題をつくって、その対応をして、と言った具合に労力を割かれていないかと心配になる。
テスラの株というのは、経営者であるマスクで割増されている面が否めない(つまりなんだかんだ言われていても、経営者としても手腕は高く買われている)と考えている人は少なくないと思うが、その上乗せ部分も自身が経営で力を発揮してくれるだろうという期待からだ。もちろん経営者も人間だから事業関係以外の時間、普通の生活もあるが、株主はそういうのではあまり目立たずに、経営に於いてのみ強力な指導力を発揮してほしいというのが、正直な期待だ。時間をかければかけるほどテスラが良くなるとも限らないが、他で経営資源が削られてしまうというのはやはり困ってしまう。だが彼に代わる人は居ないので、しょうがないかもしれない。
それはいいとして、顛末はどうなるかわからないが、もし本当に売却したらどうなるだろうか。それによって株価はどうなるかもわからないが、多く売りに出れば、需給関係により普通は値段が下がると考えるのが自然だ。
そして、売られた株は誰が買うか。
俺が思うに、株はまず別の金持ちである資産家、投資家、富裕層、準富裕層達が買うだろう。なぜなら、彼らはそれ以外より資金力があるから、より高く買う余裕がある。
つまり、もし富裕税を払うことになれば、超々富裕層である売却者は富裕課税により総資産額を減らし、その減少分である売却金の一部が納税される。株を購入した他の富裕層はテスラ株のポジションを増やす。彼ら彼女らはその範囲においては購入するだけなので、元の資産額が富裕税の対象にかかるような大資産家でなければ、追加の納税は無い。
売却によって、今後のテスラの業績や株価への影響は無視できるとすると、これは政府が将来の売却課税を先にもらっている様なものだ。そして、株は富裕税のかからないような小口?の富裕層に分散するので、その部分からは富裕税を取れなくなる。
だから、もし効率よく政府が富裕税を取り続けようとすると、対象者の資産額を下に広げることになる。勝手な想像かも知れないが、これがマスクが言いたいこと(の少なくとも一部)のようだ。ただし、これは売却で動く桁外れの大金のうちの一部の金の動きであって、全体としてどうなるかは誰にもわからない。
だが、何もなければマスクも株を持ったままになる仮定すれば、それよりは売却益の一部が税金となるので合理的とも言える。一方、投資家としては、テスラのような有望?株を、大勢の富裕層に分散させると長期的には彼らが潤ってしまい、却って格差拡大解消になるのでは?と思ってしまう。でも売却金は納税され社会に還元されるならばそれはそれで良いかもしれない。どうだろうか。