資産課税、富裕税は「もうすぐやるぞ〜今やるぞ〜」の高等戦術なのか?

2021-11-11 投稿

投資

資産課税の高等戦術について考える。

凡人 (求職中) の素人視点なので、また、筆者はテスラ株を所有しているので、それも考慮して、疑って読んでくれ。


先日、富裕税に関して投稿した。

富裕税のための株売却の影響

唐突だが、テスラ・モーターズの創業者であるイーロン・マスクが、富裕税に関連し、自分の株を売るか売らないかネットで取り沙汰されて、またSNSで是非を問いかけていて、話題になっている。俺も詳しく知らないが、どうも資産課税されると株を売った売却金で納税することになるので、本当かどうか、本心かどうか不明だが、公言している範囲では、「その影響を考える」ためらしい。もちろん、その他の考えもあるだろう。当然、色々な方面の影響を考えて、しっかりと算盤を弾いている。そしてそれは悪いことではない。ところで、彼はこれまでも経営者以外の面で様々世間を騒がせてきたので、「マスクらしい」といえばそうだが、ほんの少しの株数であっても、その株式所有者としては、経営にもっと集中してほしいと思ってしまう。経営以外で話題をつくって、その対応をして、と言った具合に労力を割かれていないかと心配になる。

そして報道によると、マスクがSNSで予告していた通り、本当に株を売ったらしいので、これを再考する。

ゲス推測だが、現在株価も高くて売りやすいし、富裕税も話題になっているし、ちょうどいいからツイッターの投票で売ったことにしようみたいな便乗かもしれない。実際大きな話題になっている。

ところで、米国の富裕税は本当に導入されるか微妙な状況だ。どうなるか分からないが、結局当たり障りのより少い穏健な案、つまりほとんどの人が影響を受けない、また歳入にそれほどは寄与しない規模で落ち着くのではないだろうか。

話を戻して、上記投稿でも書いたが、売却された分は他の誰かが所有することになる。有望な投資だと仮定して、また富裕税がもし実現するとしたら、すでに対象になる人、つまり超超富裕層よりも、その下の人達が売却分を保有しやすい。なぜなら彼等は資金に余裕があり(つまりより高値で買うことができ)、富裕税対象にならなければ資産を普通に増やす行動動機が働く。逆にすでに資産税を払う人達からすれば、現金を使ってテスラを買い増すより、租税に備えて買い控えるのが自然だ。だから、富裕税は対象者の金融資産が彼らより資産規模が小さい富裕税非対象者へ移動する事になる。

これは何を意味するか?

意見は様々だろうが、こう取ることもできる。

まず、上記の通り富裕税法案がどうなるかわからないが、もし実現した場合に納税されるはずだった分を「売り逃げ」されてしまった。納税される売却益の一部の何倍かの「見込み富裕税」?をのがしてしまった。今後、資産に税金が掛かるとなれば他の大金持ち対象者が同様の行動を取るのも合理的だ。政府や州としては売却益課税収入を先にもらったほうが良いかもしれないが、特に高値で売られてしまった場合は格差縮小には資産課税に比べれば貢献度は少ないかもしれない。

また、売却株は分散するので今後の課税対象資産になりづらい。値上がりしても彼ら彼女ら個々の所有資産が何千億円レベルになるまでは相当時間がかかる(あるいはしきい値前で納税が嫌だから殖財をやめてしまう)。

逆に考えれば、売却益課税でとりあえず資産課税前でもどうしても払ってほしければ合理的な政策だ。素人考えだが、「資産課税もうすぐやるぞ〜今やるぞ〜」と宣伝して、実際はやらないとか、ちょっとだけやって元に戻したりとかすれば、現在とあまり変わらない条件で超々富裕層達に売却益税をとりあえず少しでも先に払ってもらえるという、先を読んだ政策なのかもしれない。だから議会通過もあやふや錐揉み状態なのか。どうだろうか。

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