米国雇用統計 (CES) の原典から見る、米国の雇用哲学

2022-01-10 投稿

米国

米国雇用統計(Current Employent Statistics, 以下「CES」と略)について再考する。

一凡人 求職中の素人視点なので、真に受けずに疑って読んでくれ。


今更だが、先週末の7日にCESの新たなデータが発表された。

以前、長期投資視点での俺なりの見方を書いた。

米国株に投資する理由:毎月の米国労働統計の長期投資からの見方

本日は雇用統計を取り上げる、米国株投資しているなら、毎月の米国「(非農業)労働者統計」は少しは気になるだろう。 俺は全然気にしないが、ニュースで偶然見る度に、「前提が凄い」と感じる。 というのも、


要旨は毎月の増加数の上下で、自分としては投資を再考する必要は無く、唯一の例外は、「短期的でない労働者数の減少傾向」のみだという事だった。

その方針は不変だ。だが皆が見ている統計だし、投資家としては毎月見てブログに書くのも意義あるかもしれない。そこで、その統計を見てみよう。

ところで、君、CESの原典を見たことがあるか?俺は散々偉そうに言っておきながら、無かった。そこで今日は1番の大元 https://www.bls.gov/ces/ を見ることにする。英語は嫌だが、大元はここだからしょうが無い。

俺の英語解読能力だと内容不明が大部分だが、感想としては:
  • 当然だが、情報量が非常に多い。
  • 相対的に日本政府の統計サイトよりは見やすそうで、良くできている。
  • 俺もここを全部、例え有用としても読みたくない。右下の数字だけ見れば良いかもしれない。
    • 日本人の自称事情通でも、これを隅々まで読んでいる人は殆どいないだろう。右下の数字をみんなチラッと見て、訳知りの投稿を書いているんだろう。俺のこの今日の投稿を含めて。
といった感じだ。

雇用統計情報をアップするニュースとかツイートとか投稿とかは数多いが、この大元より早く情報が出るのか?わからない。来月忘れていなかったら見てみよう。ここが一番早ければ他を探す必要もない。引用は間違えているかもしれないし。

もし俺は素人ではない的雰囲気を出す訳知り野郎」と話す機会があったら、「いやーCESの公表より報道がずいぶん早かったね(遅かったね)」と、カマかけてみよう。誤魔化すようだったら、そいつはエラそうなくせに、米国投資のための統計の基本の基本の原典さえも見ていない「インチキ事情通」の可能性がある。

さて、英語が分からないなりに、個別に気づいた点を幾つか挙げる。

まず、上記投稿する時、果たして米国はいつから労働者が増え続けているんだろうと知りたくなった。検索するとここ10年15年とかはよく出てくるが、もっと長いのがほしい。長そうなのもあるが、どのようなフィルターが掛かっているか(ある業界だけとか、ある地域だけとか)不明だ。

果たしてCESにデータがあった。ここにあればこれ以上の信用できるデータは無い。CESでは何と1939年に遡れる。例えば80年前、1941年1月は「30万7千人増」だ。それから戦争や不景気等で短期的減少はあるが、一貫してほぼ増加している。80年代とか米国は不況だったと伝え聞くが、ほとんどの月で何十万人も増加している。途方も無い増加傾向だ。


それだと賃金はどうなんだと思う人もいるだろう。賃金の統計は何を見るべきか議論あるだろうが、CESのトップページで右下フューチャーされている数字「Change in Total Private Average Hourly Earnings for All Employees:」が良さそうだ。これは古くて2012年までみたいだが、ほぼ一貫して最低でも一桁㌣は上昇し続けている。これが先月は時給19㌣増だ(いつもの一桁㌣に比べ上昇が大きい事から、インフレが起こっている、と推定されているらしい)。労働時間年1800時間として1人年342㌦増、該当する米国の労働者が1億6千万人として、巨額の政府支出やインフレ等良い事ばかりでは無いにしても、それだけで50B㌦超の経済効果だ。


また、これは個人的な感想だが、日本だと年収とか月給が主なのに対し、米国では賃金統計が「時給」計算なのも米国らしい(時給以外の統計もあるが、時給が最重要と考えられる故に一番最初に載せられている)。米国の労働者は、需要によりすぐに切られたり、転職したり、一時的に離職したり、が前提なので、パートタイムだけでなく労働者全体が時給統計が一番合理的だ。ドライで流動的な米国の雇用哲学を物語っていると思わないか?

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