超富裕層と身長について考える。
今更であるが、とあるゲーム関係者が、男性の身長についての問題発言でいわゆる「炎上」し、騒ぎが大きくなり、ついには所属組織から排除されたり、色々な影響が出ている。
失礼な言い方になるが、発言者の知名度?からすると「炎上度」、燃え方がすごい気がする。報道で取り上げられ、ネットでは話題沸騰だ。怒られるかもしれないが、これ程「鮮やかな炎上」はそんなに記憶にない。炎上の歴史に残すべき事件であった。
当の発言についてはこの際どうでも良いが、発言内容は非難批判されてもしょうがないモノだったのは確実、是非とか善悪以前の問題発言で、議論する程では無い。
それはいいとして、俺は低俗に考えてしまった。
こう言っては何だが、この種の「問題発言」はネットで毎日のように繰り広げられていると思われるのに、なぜこの発言だけがこれ程取り沙汰されるのか。ポータルサイトでも上位に出てくるし、報道機関も後追い記事を次々に出すし、いわゆる「炎上拡大状態」に陥っている。俺が知らなかっただけで、発言者の著名度がとても高いのかもしれないし、問題発言の深刻度が俺自身の認識より桁外れに高いのかもしれない。真実はわからない。
だが、複合的な理由の中に、これがあるだろうと推測される対象がある。
それは、問題発言が「身長」についてのモノだった事だ。
つまり、日本人は相当、「身長」を気にしていて、敏感なので、そこへそれなりの有名人による問題発言が起きて、大騒ぎとなったんじゃないか。平たく言うと、日本人は身長の悩みが多いから余計炎上したんだろう。
その心理を考えてみる。
まず、身長で悩む人が多くて、特に低い身長についての悩みが多いのは事実、成人となってからも悩み続ける人は多い。好ましい範囲は流動的だが、大昔男性は「高身長」が好条件の1つとして、今よりもっと公然と主張されていた(らしい)。そして「身長を高くする(見せる)ため」にする運動、食事、靴、髪型、整形、何でもある。とにかく、身長は高い方が良いという風潮は昔も今もある。それは多くの人はわかっている。
だが、人生の価値とか幸福度とかいうものがあるとすれば、当然身長よりも他にそれを決定する要素がたくさんあり、大人になれば「ほぼどうしようもない」身長より、その努力しがいのある分野に自分の人生の資源を集中させるわけだ。陳腐な言い方だが、そこで生きる道ややりたい事を見つけて、身長に左右されない豊かな人生を切り開いていく。
また、人を身長を含めた外見で判断しないように、社会も少しずつかも知れないが成熟している(と思われる)。頭の中でどう考えるかは別として、少なくとも建前では内面(のみ)を重視するのが良いと考えるように指導される。教育は段々心理に影響してくるものだ。
だか建前だけでも無意味ではない。とにかくそのような風潮もあり、何となく世間や周囲の人は昔よりは内面重視になっているだろうと希望が出てくる。実際そうなのかもしれない。
だが、そのような僅かな希望が、このような問題発言で、挫かれる。やはり、身長はそんなに大事なのか、昔と同じじゃないか。何となくわかっていたが、いざ直接、当の異性にこれほどはっきりきっぱりと明言されると、いやーやっぱりまだまだ背の高さなのかよー参ったなと希望が打ち砕かれて過剰反応していまい、より発言批判が燃え広がる。
平たく言うと、皆何となく分かっているし気にしているし悩んでいるけど、どうしようもないし失礼にもなり得るから建前上言わなかった、触れられると平静を保ちにくい「外見」に関する内容を、それなりの著名人が強い表現であっさり言ってしまったと言う事だ。分かっているけど言うべきでない、言うにしても表現に充分配慮する必要がある事柄の1つが、外見問題、とりわけ身長だったわけだ。
という事で、このような事項は、要注意テーマという事で「ネットリテラシー」授業で学校で教えたほうが良い。日本人は比較的そういうのに不用意、無防備な気がする。要は頭の中で何を考えるかは自由だが、それをそのまま公言するには不自由が世の中には沢山あるという事だ。外見もそうだし、宗教関係とか、色々あるだろう。
さて、こう書いたあとでなんだが、超富裕層が主題のブログということで、このような情報もあるということで紹介する。
それは身長と所得の相関性だ。
身も蓋も無いのだが、ある統計によると、生涯賃金や社会的地位は、身長の高さと相関があるというのだ。また、スウェーデンの調査だが、総資産の高い企業のCEOほど、身長が高い傾向があるらしい。
だが、著名な超々富裕層でみると、ゲイツもベゾスもバフェットもザックも、高身長というわけでは無い。どちらかというと平均よりちょいしたという感じか。日本でも孫さんや柳井さんは年齢もあるし高身長とは言えないが、一方三木谷さんとかは背が高い。永守会長も年齢にしては高い方か。そんなに相関性なさそうだ。経営者の身長を条件に入れる必要は当然、まったく無い。
という事で、普通の結末だが、少なくとも投資活動に於いては身長を気にする必要はない。どうだろうか。