MLB、特にアメリカン・リーグの争いについて考える。
突然であるが、日本ではMLBというと大谷である。しかしアメリカン・リーグ(以下「AL」)、特に東地区(以下、「ALE」、American League East)が熱い戦いとなってとても面白い。
主にヤンキース(NYY)とオリオールズ(BAL)の首位争いに加え、レッドソックス(BOS)もワイルドカードでのポストシーズンの可能性もまだあり、互いに緊張感のある試合が続いている。
ちなみに中地区もガーディアンス(CLE)、ツインズ(MIN)は毎年上位争いに絡んでくるが、ロイヤルズ(KCR)とタイガース(DET)も粘り強く闘い、優勝とWCの可能性がまだまだ充分ある4チームが目の色を変えて試合をしている。
俺はMLBの特定のチームを応援しているが、上記全てのチームがどこかで必ず激突しており、優勝争いの盛り上がりという意味では、どこのチームのファンか関係なく、目の離せない状況だ。
ALEでは、NYYとBOSとのライバル関係だけでなく、NYYとBALでも因縁があり、互いに(良い意味で)いがみ合う関係に有り、毎年優勝争いがもつれてくるとどんどん面白くなってくる。
また、デッドヒートを繰り広げるNYYとBALが現地時間9月24日からヤンキースタジアムで3連戦を残しており、おそらくポストシーズン同様の大決戦になりそうで双方のファンや放送局などは今から盛り上がっている。
さて、ご存知かも知れないが、MLBは現在ALもNLも東、中、西の3地区に分かれており、またMLBがワイルドカード争いのポストシーズンを拡大したため、勝ち上がりの組み合わせが大変に複雑になっている。数十年前までは双方「東西2地区」のみでプレーオフは地区優勝チーム同士が7試合のリーグシリーズ(とそれを勝ち上がった2チームによるワールドシリーズ)のみがポストシーズンだった。
現在の3地区だと奇数のため、「トーナメント構成」のためにもう1チーム(ワイルドカード、「WC」)が必要だ。以前は単純に各リーグ優勝チーム以外で一番勝ち数が多い1チームがWCだったが、早々に差が開いてしまうと盛り下がる事もあり、数年前からWCを勝数上位「数チーム(今年は3チーム)」がシリーズを争う仕様になっている。
つまりAL/NLともに、各リーグ(東、中、西)優勝3チーム+WC3チームの計6チームがポストシーズンに進出する。
こう書くと分かり易そうだが、まことにややこしい。
まずリーグ1位チームの内、勝数が多い順に2チームは自動的に地区シリーズ「ALDS」に進出が決まる。もう1つの1位チームと、WC3チームの合計4チームは3試合(2勝先取)の「ALWS」シリーズをまず戦うことになる。
実にややこしい。現在の順位のままレギュラーシーズンが終了するとすると(カッコ内は投稿現在の勝数)、
ALE 1: NYY(85) 2: BAL(83) 3: BOS(74) 以下略
ALC 1: CLE(84) 2: KCR(80) 3: MIN(78) 以下略
ALW 1: HOU(78) 2: SEA(74) 以下略
であるから、進出チームのシード順は
Seed1: NYY(85)
Seed2: CLE(84)
Seed3: HOU(78)
Seed4: BAL(83)
Seed5: KCR(80)
Seed6: MIN(78)
となるので、2つのALWS(3試合2勝先取)は
ALWS1 Seed3 HOU(78) vs. Seed 6 MIN(78)
ALWS2 Seed4 KCR(80) vs. Seed 5 KCR(78)
この勝者が、Seed1/2とALDS(5試合3勝先取)を争い
ALDS1 Seed1 NYY(85) vs. Winner-of-ALWS2
ALDS2 Seed2 CLE(84) vs. Winner-of-ALWS1
で、その勝者同士がリーグ優勝決定シリーズ(ALCS、7試合4勝先取)で戦うことになる。
ALCS Winner-of ALDS1 vs. Winner-of-ALDS2
NLでも同じ事をやって勝ち上がってきたチーム同士が「ワールドシリーズ」を戦う。
尚、ALWSは全てシード上位のチームのホームで行われ、ALDSとALCSはシード上位チームが本拠地で1試合多く予定される。
つまり、現在のMLBではレギュラーシーズンの162試合に加えて最大でALWSの3試合、ALDSの5試合、ALCSの7試合、WSの7試合のポストシーズン(最小13、最大22試合)で1年で175~184試合を戦ってワールドチャンピオンになる。大体180試合はやる事になる。毎日試合しても半年かかる。広い国土で移動日があるからダブルヘッダー等も多い。
色々意見あるだろうが、これがメジャーで成功した選手が非常に頑丈であり、またパワーがあり、また試合が非常に多いから空席も多くなってしまう理由だ。どうだろうか。
ところで、上記Seed順の決定だが、重要な要素が抜けているので、後日また説明する。現在、BOS@NYY、BAL@DETで緊迫した試合が行われている…