マッサージ中のやり取りについて考える。
何の専門家でも無い、一凡人 求職中の素人視点なので真に受けずに疑って読んでくれ。
先日、即席散髪屋について書いた。
俺は定期的に行くあらゆる種類の営業店というのは少ないが、使える時はQ何とか…という即席散髪屋を愛用している。千数百円という値段、速度、腕、素晴らしい散髪屋だ。同じサービスでも、2倍払っても良い。3倍でも俺は構わない。
要旨は余計なものを極力廃し、10分で全て済ます「流れ」が完成している、即席散髪の素晴らしいコスパであった。
だが、当然全てこう上手い方法がある訳ではない。例えば、マッサージだ。
俺は体が固く、首肩腰等の痛みに悩まされている。旅行先のボディケアや、居る場所の近くにマッサージを頼める場所があると、暇なら思わずフラフラ〜っとそこに向かってしまう。ああいった場所は結構食事の後、夜はやることが案外無いものだ。そういう時、そういう客のためにあるサービスの一つが、マッサージだ。
余談だが、これから労働者不足が必至の日本は、サービスが次々と自動化されていく。やってくれる人がいなくなるんだから、この流れに逆らっても仕方がない。介護とか、補助ロボット的なのを駆使して、どんどん自宅で自分でやるようになるだろう。しかし、俺が思うにロボットがまだまだしばらくできないサービスや補助のひとつが、マッサージだ。マッサージ機器は色々試したが、人に遠く及ばない。
さて、マッサージの宿命であるが、やりながら効果を確かめていったり強度を調整するため、何かしらのやり取りが断続的に必要になる。これが悩みのタネだ。
まず、最近はマスクもしてるし、何をいっているのか聞き取りにくい。他の客もいるため、場所的に向こうも大声を出すわけにもいかないが…
また、どこどこが悪いとか、この辺りがとても凝っているとか、言われても何とも答えようがない。
そして、強くしてくれといっても大体最初からかなり力を込めてやっていると思われるので、あまり変化が無い。その後どうですかと言われても、あーいいですねとしか言い様がない。もっと力を入れろとも言いづらい。
つまり、殆どのマッサージ中のやり取りは、俺にとっては何とも虚しいものだ。まぁ向こうも営業の一環でやっているので、黙っていて欲しいまでは行かないが、何とか会話を意義のあるものに出来ないだろうか。マッサージを終えて自室に帰る途中などは、その事ばかり考えている。こういう時、マッサージを受けながらでも世間話か何かで盛り上げて、虚しくなることなく過ごせる人達を本当に羨ましく思ってしまう。
だから、全ての揉みほぐし技を系統化して、ネットで予約するときに、細かく、「技Xを場所Yに強さZでM分」の容量で、(X,Y,Z,M)で指定できたらいいのにとか思ってしまう。麺の硬さや具を選べるラーメンの注文とか、何を何で挟むかを細かくカスタマイズできるサンドイッチとかこの方法だろう。つまり食べる前にすべて希望を伝達して、食べるときはやり取りに悩まされることはない。
しかし、それは実現は難しい。わかっている。そもそも上述のように、世間話が半分目的のような、話したい客もいる。もみほぐしを系統化といっても各自必殺技をもっているだろうから、難しい。悩みは尽きぬまま、俺は今日も街をフラフラとマッサージ店とか整体とかほねつぎとかを探して彷徨うのだった。そして、改めて、無駄な会話が一切ない、即席散髪屋の素晴らしさに、感動するのだ。どうだろうか。